パソコンひとつ身ひとつ[起業話#8]

業種によって起業の重みは違ってくる。

僕の場合は、WEB制作という業種だったため、ある意味パソコンひとつで起業が可能だった。

厳密に言うと、いい仕事をするとなると、カメラやプリンターなども必要だが、パソコンひとつでも仕事ができると言えばできる。

だが、例えばお菓子を作る会社だったり、建築業、福祉事業で起業するとなると、建物、スタッフ、機材、材料など、とてつもなく多くの要素が必要となる。

そうなると、当然初期投資に必要な資金は膨大になる。

僕の周りにも介護事業や食品製造業などで起業した友人がいるが、本当に尊敬する。

最初は1千万円など小さく借り入れをし、徐々に実績を作って、数年で数億の借り入れをして、事業を大きく育てていくその背中は同世代とは思えないほど逞しい。

もしあなたが今、起業することを考えているのであれば、その業種や事業内容によって、どの道となるのかを事前に知っておく必要がある。

僕の場合は、

・借り入れはしない

・可能な限りシンプルで身軽な体制

=パソコン一台、人も雇わない、オフィスもあってもなくてもいい

・小さなリスクと労力で最大のレバレッジを得る

というのが、ポリシーだ。

しかし、これは、僕の業態だからこそ可能であり、地域に根を張り、人との繋がりを大切にして、信頼を徐々に勝ち取っていくべき業態の場合は不適切になることが多い。

だからこそ、今あなたが起業を考えていて、様々な情報収集をしているのであれば、あなたの事業を成功に導く起業のための情報を集める必要がある。

なんでも起業関係の情報をすべて適応させてしまうと、とんでもない方向に言ってしまうことがあるから注意が必要だ。

 

あなたの事業を成功に導く情報は、どうやって集めるか。

それは、同業者の同じ起業家に聞くのが一番だ。

2代目、3代目でもいいが、できれば創業者がよい。

創業者ならではの悩みや起きうる将来をよく知っているからだ。

「同業だと冷たくあしらわれて、情報なんてもらえない」という場合もあるが、そんな人は、まだまだ駆け出しの若手に手ほどきをできる器のちっさい人間なので、そんな人間には、寄り添わなくてOK。

本当に懐の深い、人としても尊敬してしまう人というのは、同じ業種で頑張ろうという若手がいたら、とってもかわいがってくれるものだ。

実際、僕も同業の先輩にどれだけ助けてもらったことか。

そういった懐の深い人というのは、やはり実直に成功を重ねている。

もちろん失敗もその分しているが、それでもたゆまぬ努力を積み重ねているので、結果的に成功を重ねることになっているのだ。

 

さて、僕と同じくパソコンひとつで起業可能な業種で身軽に創業したいと考えているのであれば、創業時にたくさんの資金が必要となる事業に比べ、リスクは少なく、波に乗るチャンスはたしかに多いと思う。

だけど、そんな状況なのに起業をしようかな…、どうしようかな…、と躊躇をして、結果的に3年、5年、10年経ってしまう人も少なくない。

僕は起業はベストだとは思わない。

それをベストにできるかどうかは、当の本人次第だ。

覚悟があるとか、想いがあるとか、そんなものも関係ないと思う。

(実際、僕はそんなものなくいつのまにか起業していたからだ。)

恐らく、起業のスタートに必要なのは、興味を持ったことをとことん突き詰めてと何事も楽しんでしまう性分と、ワクワクすることぐらいじゃないだろうか。

そして、無駄な恐怖心を捨てることだ。

僕は起業しようと思ってしていないから恐怖心なんてなかったが、「よし!会社を辞めて、起業しよう!(会社辞めたら明日から収入0だ)」と息巻いていたら、恐怖心があったかもしれない。

だけど、それが全ての判断を狂わせる気がする。

未来をどれだけ考えても、結局未来なんて誰にも分からないのだから。

あなたが起業を考えているのなら、是非楽しんで欲しいと思う。


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