業務効率化と現場の反発[飲食店向け効率化のためのIT活用術#8]

【記事要約】

飲食店向け効率化のためのIT活用術総まとめ。

全7回に渡ってお届けした飲食店のためのIT活用術。

再びおさらいしておくと、下記のサービスをご紹介した

レストランボード
予約台帳アプリ

フリックオーダー
注文管理アプリ

ユビレジ
iPadを使ったPOSレジシステム

楽天ペイ
クレジットカード、電子マネー決済システム

・マネーフォワード

ジョブカン
勤怠管理クラウドシステム

これらのシステムやアプリを導入して、一気に業務改革を図るのは、現実問題難しいだろう。

現場は変化を嫌がる。

トップダウンの急激な改革は、恐らく反発にあうものと思われる。

実際、変化に追いつけず、注文をとる、料理をつくる、料理を提供する、会計を行うという本来の業務に支障が出るくらいなら、ゆっくり試みるほうが無難である。

まずは、現場に影響が出にくいジョブカンから利用してみるなどだ。

トップは変えたほうがいい。変えるべきだ、変わるべきだと分かっているが、現場というのは、とにかく変化を嫌がる。

そんなに大きなハードルではないのに、何かと理由を付けて、変わることを嫌がる。

上が決めたことに従うのが仕事だと頭ごなしに押し付けるのもある意味ひとつの手だが、その場合、スタッフの腹の中にモヤモヤとしたものが残ってしまう。

こういった業務改革に僕は飲食店だけでなく、様々な業種で関わってきたが、面白いほど、どこも同じ反応が現場から噴出する。

何か業務のフローに変更が発生する場合、現場からブーイングが出るのはもはや運命なのかもしれない。

慣れてきてからは、業務改革の発表をした後の現場の反応にやっぱりね。はいはい待ってました。と余裕すら持てるくらいだった。

こんな時どうするか。

これが、ある意味トップにとっては業務改革よりも難しい一番の悩みになるかもしれない。

ツールの変更などの業務改革の場合、それを取りまとめる担当者が社内には必ずいるだろう。

システム担当者だったり、部門長だったり、はたまた経営者自身だったりだ。

彼、彼女達は、当然担当者だから、業務改革の重要性は理解している。

そして、業務改革を推進するトップとスタッフの間で板挟みになり、酷い時はかなり憔悴してしまう。

こんな時、できれば僕のような組織に所属しない外部の人間が担当になるとクッションになるので一番理想的なのだが、その場合、外部の人間に対する報酬も必要になり、また、そこまでやるのもおおごとだ。

そこで、僕から紹介したい業務改革のコツをご紹介したいと思う。

僕の経験からすると、スムーズに業務改革を推進するのに一番いいのはとにかく現場の声に耳を傾けることだ。

ただ、これだけに限る。

「文句を言わずにやれ!」ではなく、「そうだよね。変えるの大変だよね。他にどう感じている?」と現場の声をとにかく拾うことだ。

要は、愚痴と不満を聞くだけでいい。

そんなわけないだろ!と思われそうだが、本当にそうだったのだ。

現場は自分たちの声を聞いてもらえないことに不満を持つ。

そして、それは組織や上司への不信感にまで育つこともある。

とある組織で、進まないシステム効率化に僕が外部から投入されたことがある。

当然、最初は外部の人間だからと敬遠されるが、一緒にお昼ごはんと食べたり、世間話をしたり、こちらからコミュニケーションをとる。

時には一緒に飲みに行ったりもした。

そのうち、ぽつりぽつりと本音を話してくれるようになり、いつの間にか馬鹿話などもしたりするように。

そして、仕事の話をする時には、なぜ今この改革が必要なのかを念入りに説明する。

すると、最初は愚痴と不満しか言わなかった皆が、いつの間にか変わるのは嫌だけど、でも改革の重要性は理解した。だから協力はする。という話の内容に変わっていったのだ。

そして、一番反発していた人が一番の協力者になったりした。

僕自身もこの変化にはとても驚いた。

僕からは、変わることを説得したりするようなことは一切言っていないにも関わらずだ。

寄り添って「あなたのことはちゃんと考えていますよ」という姿勢を示すだけで、向こうが歩み寄ってくれたのだ。

働いている人は、ひとりひとり自分の仕事にポリシーを持っているのだと思う。

一生懸命、真剣に働いているからこそ、改革のときには、ちゃんと現場の目線まで降りて話を聞くことが大切なのだと思った。

だから、今から業務改革を行おうとしている人、実際にしたところ、現場の反発にあった人には、是非この『現場と向き合う』ということの重要性を知ってほしいと思う。


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