【記事要約】
一度会っただけから『一歩踏み込んだ話ができる』状態になるにはどうしたらよいのか。最初の入り口のお話。
1. 繋がりが一気に深まるシチュエーション
僕が地元に戻って、人脈0の時から、たくさんの知り合いが増えるまでを振り返って、何が一番、人脈形成にとって強力だったかと言うと、それは「一緒に食事をする」。ということだったように思う。
僕はもともと食べるのも、お酒を飲むのも好きな人間だ。
だから、そういう場が好きだったというのも好都合な要因になっていたように思う。
しかも、当時は20歳半ばだ。
まだまだヒヨコな若手を可愛がってやろうという懐ある方に誘われることが多く、誘いを断ることはまずなかった。
誘われた食事の場には、その人が仲がいい人が必ず何人か、時には何十人も同席していて、そういった場で、交流の輪を広げていっていたものだ。
だが、なぜ勉強会や企業人の集まりやセミナーではなく、食事の場なのか。
それは、「食事をする」という行為にある。
食事をするということは、人間の本能に近い行動だ。
理性ではなく、本能が基軸にある行動。
また、食事をする行為を他人に見せる。
同じものを一緒に食べる。
ということは、人間心理に置いて、相手を自分に近い距離の人間と無意識に認識させる効果があるように思う。
食事の機会を何回も設けるうちに、再び同じ人と何度も会うことも多かった。
そのうち「ちょっと相談したいことがあるから、一度会社に来てくれる?」となれば、いい流れだ。
名刺交換などの場では「一度御社に伺わせていただいて、お話させていただきたいのですが。」といった流れで、こちらからのお願いになってしまう。
正直、こんなシチュエーションは、相手にとって面倒臭いだろうし、こちらが下手の立場の話というのは、あまりうまくいかないし、実際、僕は名刺交換をして、「一度御社に伺わせていただいて…」といった話はしたことがない。
先方から来て欲しいと言わせることができれば、対等の立場で会うことができるし、儲けもんだ。
2. 人脈づくりで気をつけるべきこと
人脈で、とても気をつけるべきことがひとつある。
それは、間に入ってくれた人、きっかけになった人に仁義をたてるということだ。
具体的にいうと、新しく繋がりができた人をAさん、その人との出会いの間に入ってくれた人、きっかけになった人をBさんとしよう。
Aさんと何か新しい話が持ち上がった、または次はBさん抜きでAさんに会うことになったという場合、必ずBさんにも一報を入れ、そうなるきっかけを作ってくれたことに感謝の気持ちを伝えるということだ。
若かった僕は、一度だけこの大事な点を理解しておらず、繋がりをきっかけになった人を飛び越えて、新しく知り合った人と繋がりを強くしてしまったことがある。
その時は、直接本人からではないが、近い人から、その人が面白く思っていないということを聞かされた。
若かった僕は、なんでそんなことを言うのだろう?器の小さい人間だな。ぐらいにしか思っていなかった。
だが、人間というのは、嫉妬する生き物なのだ。
その後も、様々な人との繋がりを潤滑にしておくためには、心配りというものが必要なのだと、今では分かる。
もちろん、Bさんと接点を持ち続けるその後も永遠にAさんに毎回一報を入れなければならないということではない。
あくまで最初のうち何回かと、時折という感じだが、この点はとても大事なことだ。
潤滑な人脈を形成するためには、この点をとても大事にすればきっとうまくいくことだろう。