人脈を精査&キープする[人脈形成術# 4]

【記事要約】

人脈は、繊細で生き物のようなもの。常に変化する。

人脈を自分に有益かつ相手にとっても有益なものとして保つことが大切。

1.  人というのは変わるもの。風向きに注意をする。

出会って暫くの間「いい人」だった人が、突然「怪しい人」に変わることがある。

それは、もともと実はそういう人だったという、かなり高度な詐欺師的な人もいるが、多くは、何かがうまくいかなくなったことにより、文字通り「人が変わってしまう」ことの方が多い。

大抵はやはり『金』だ。

『金』が関わると良くも悪くも人は変わる。

『金』に苦しみ出すと、他人を不幸にしてまでも、自分が助かる方に突っ走る人の多いこと。

自分しか見えなくなり、周りの都合の悪い声は入らなくなってしまう。

そうすると、不義理をしたり、価値のない高額なものを知り合いや家族にまで売りつけたりする。

そういった気配を感じたら、容赦なく、その人脈は切るべきだ。

僕の甘さでもあるのだが、以前の僕はそんなふうになってしまった人であろうと、縁を切らず、繋がりを持ち続けていたことがある。

しかし、迷惑千万でこちらの評判までキズを付けられた。

一度、ひどく裏切られた経験から、僕は無理をしない人付き合いをすることに決めた。

一緒にいて、楽しい人、気持ちが寄り添える人たちとだけ、付き合うようになった。

そうやって、おかしな人と付き合わなくなってから、嫌なことや、面倒なこと、揉め事は周りに起きなくなった。

一時期はトラブルばかり起きていたのに、不思議なものだと思う。

人の様子は変化するもの。

風向きに気を配って、付き合いたいものだ。

2. 繋がりを保ちつづける

一歩踏み込んだ話ができる関係性を築いたとしても、その人との関わりが半年、1年と遠ざかってしまうと、いつの間にか連絡しづらい状況になってしまう。

そうなると、せっかく築いた関係性を活かしたい時に役に立たないことがある。

Keep in touch.

英語のこの言葉通り、接点を持ち続けるということは、人の繋がりにとって大事なことだ。

友人に近い間柄なら、飲みに行ったり、ランチに行ったり、どこかへ一緒に遊びにいくと良いだろう。

そこまでくだけた間柄でないなら、近くに寄ったからと言って、オフィスや家に顔を出したりするだけでもよいと思う。

用もないのに連絡するのがはばかられるな…、という時は、年賀状、暑中見舞い、お歳暮、お中元という日本の習わしを活かす方法もある。

これらは人の繋がりを保つために古人が工夫したのものなのかもしれない。

僕は、どちらかというと、これまで細やかに連絡を保ち続けることはしない、ドライなタイプの人間だった。

しかし、とてもお世話になった方やとても大切な友人との繋がりを保つためには、人脈のメンテナンスが非常に大切なのだとある日悟り、ドライな行動パターンを改善した。

繋がりを保ち続ける努力をするということも、人脈形成にとっては、とても大切な要素なのだ。

Giveと接点[人脈形成術# 3]

【記事要約】

『一歩踏み込んだ話ができる』関係性を築くために、どのような付き合いをすべきかについて。

1.  まずは気軽に簡単な頼まれごとへの期待に応える

25歳で個人事業主となった当時、まだそこまで忙しくなく、時間に余裕があった僕は、知り合った会社の経営者や幹部に頼まれたちょっとしたお願い事に関して、暇だったこともあって、気軽に頼まれていた。

例えば、今度イベントがあるので、参加して欲しいといったものから、そのイベントの写真を撮って欲しい。スタッフとしてちょっと手伝って欲しいといったことなどだ。

僕は特に見返りを期待することもなく遊び感覚でそれらの頼まれごとを引き受けていた。

実際、新しく見る世界が面白かったということもあった。

後から考えると、そういったことを積み重ねていたのが、『一歩踏み込んだ話ができる』人脈づくりに大いに役立った気がする。

少しいやらしい言い方になってしまうが、相手にとってみれば、僕に借りができたわけだ。(もちろん僕は貸しをつくったつもりなど一切ない。)

だから、こちらから何かしらお願い事がある場合も、ちょっと無理かなーと思いつつも、言うだけタダだ。と思い、切り出すと、案外OKのことが多かった。

だから、まずはこちらから与える(Give)が一歩踏み込んだ話ができる関係性を作っていくのだろう。

 

2. 名刺交換以外の接点をつくる

一歩踏み込んだ話ができる関係性を作るために、知り合った人からの頼まれごとをとことん受けろと言われても、頼まれごとをされる機会すらないよ。という人もいるだろう。

そんな時は、名刺交換以外の接点で人と繋がるのがよい。

実際僕が経験したことだが、ある経営者の勉強会で、ちょっと分からないことがあったので、自己紹介の時にその業界だと言っていた人に話しかけてみた。

相手はいきなり話しかけられて面食らった様子だったが、すぐに打ち解け、その後家族ぐるみで付き合いをするほど仲良くなった。

今では10年来の友人だ。

その友人は、数々の有名情報誌に取り上げられるほど注目された起業家だ。

出会った当時はまだまだ知る人ぞ知るという感じだったが、この10年の間にどんどん急成長して、今やかなりの有名人になってしまった。

こういった出会いもあるのだ。

名刺交換ではない出会いだったので、ビジネスライクではなく、友達感覚で関係性を築くことができたのがよかったのだろうと思う。

だから、硬く考えて、ビジネスに発展するかもしれないから、きちんとした自分を見せなきゃといったスタイルではなく、本当に小学校で新しく友達になるといった感覚の出会いも僕は大事だと感じる。

人脈になる入り口[人脈形成術# 2]

【記事要約】

一度会っただけから『一歩踏み込んだ話ができる』状態になるにはどうしたらよいのか。最初の入り口のお話。

1.  繋がりが一気に深まるシチュエーション

僕が地元に戻って、人脈0の時から、たくさんの知り合いが増えるまでを振り返って、何が一番、人脈形成にとって強力だったかと言うと、それは「一緒に食事をする」。ということだったように思う。

僕はもともと食べるのも、お酒を飲むのも好きな人間だ。

だから、そういう場が好きだったというのも好都合な要因になっていたように思う。

しかも、当時は20歳半ばだ。

まだまだヒヨコな若手を可愛がってやろうという懐ある方に誘われることが多く、誘いを断ることはまずなかった。

誘われた食事の場には、その人が仲がいい人が必ず何人か、時には何十人も同席していて、そういった場で、交流の輪を広げていっていたものだ。

だが、なぜ勉強会や企業人の集まりやセミナーではなく、食事の場なのか。

それは、「食事をする」という行為にある。

食事をするということは、人間の本能に近い行動だ。

理性ではなく、本能が基軸にある行動。

また、食事をする行為を他人に見せる。

同じものを一緒に食べる。

ということは、人間心理に置いて、相手を自分に近い距離の人間と無意識に認識させる効果があるように思う。

食事の機会を何回も設けるうちに、再び同じ人と何度も会うことも多かった。

そのうち「ちょっと相談したいことがあるから、一度会社に来てくれる?」となれば、いい流れだ。

名刺交換などの場では「一度御社に伺わせていただいて、お話させていただきたいのですが。」といった流れで、こちらからのお願いになってしまう。

正直、こんなシチュエーションは、相手にとって面倒臭いだろうし、こちらが下手の立場の話というのは、あまりうまくいかないし、実際、僕は名刺交換をして、「一度御社に伺わせていただいて…」といった話はしたことがない。

先方から来て欲しいと言わせることができれば、対等の立場で会うことができるし、儲けもんだ。

2. 人脈づくりで気をつけるべきこと

人脈で、とても気をつけるべきことがひとつある。

それは、間に入ってくれた人、きっかけになった人に仁義をたてるということだ。

具体的にいうと、新しく繋がりができた人をAさん、その人との出会いの間に入ってくれた人、きっかけになった人をBさんとしよう。

Aさんと何か新しい話が持ち上がった、または次はBさん抜きでAさんに会うことになったという場合、必ずBさんにも一報を入れ、そうなるきっかけを作ってくれたことに感謝の気持ちを伝えるということだ。

若かった僕は、一度だけこの大事な点を理解しておらず、繋がりをきっかけになった人を飛び越えて、新しく知り合った人と繋がりを強くしてしまったことがある。

その時は、直接本人からではないが、近い人から、その人が面白く思っていないということを聞かされた。

若かった僕は、なんでそんなことを言うのだろう?器の小さい人間だな。ぐらいにしか思っていなかった。

だが、人間というのは、嫉妬する生き物なのだ。

その後も、様々な人との繋がりを潤滑にしておくためには、心配りというものが必要なのだと、今では分かる。

もちろん、Bさんと接点を持ち続けるその後も永遠にAさんに毎回一報を入れなければならないということではない。

あくまで最初のうち何回かと、時折という感じだが、この点はとても大事なことだ。

潤滑な人脈を形成するためには、この点をとても大事にすればきっとうまくいくことだろう。

人脈とは何か?[人脈形成術#1]

【記事要約】

ビジネスがうまくいくか、いかないかというのは、もっている人脈の質と量に応じるといっても過言ではない。今回はその「人脈」について掘り下げて書いてみた。

 

「起業人生★振り返ってみたらとんでも人生ーHistory」の記事に書いたように、僕は20代中盤で、人脈0、資金0、さらには健康面にも不安がある状態で、ある意味『結果的に』起業することになった。

起業するつもりなんてなかった。[起業話#1]

そんな圧倒的に世の中的にいう「成功」から程遠かった僕が、その後10年後に残る企業は5%以下と言われる中、継続して事業をできているのは、これまでお世話になった方や可愛がってくれた方がいたからこそだ。

僕だけの力では、決してここまで歩んでこれなかった。

このことを、俗に「人脈の力」というのだろう。

僕自身、全く意識していないのだが、仲間内の同年代の社長たちからは、よく「人脈がヤバい」と言われる。

確かに有名企業、上場企業の社長、国家から地方までの政治家、地元の名士、メディア関係のトップなど関わらせていただくことが多かったし、遊んでもらうこともあった。

「なんでそんなに人脈があるの?」と聞かれても、僕自身よくわからなかった。

だが今、客観的にみた時に、その人脈構成の理論が少しだけ紐解けたのでそれらをご紹介したいと思う。

 

1.  いい人脈、使えない人脈、実は繋がっていない思い込み人脈

人脈と言っても、いろんな人脈があると僕は考える。

よく、人脈を広げたいという人は、いろんな所に顔を出し、名刺交換をして人脈を広げているようにみえるが、実際は、あまり本来の目的に達するための人脈は広げられていない人が多くみられる。

いつの間にか、いろんな会に出て、名刺交換をすることが目的となっているほどだ。

ここで大事なのは、『会ったことがある』『名刺交換をしたことがある』というのは、人脈には入らないということだ。

本当にこれをよく勘違いしている人がいる。

「俺あの人知っているよ」というから、繋がりがあるのかと期待するが、よくよく聞いてみれば、一度名刺交換をしたことがある程度ということがある。

そのため、期待していた、こちらからのお願い事は話を話を切り出すことすら困難だったりするのだ。

僕が考える人脈というのは、その人と一歩踏み込んだ話ができる状態の繋がりがあることだ。

こちらの動機に対して、影響力がある『一歩踏み込んだ話ができる』関係性の人との人脈が本来の人脈というもので、いい人脈だと僕は考える。

ただ、例え一歩踏み込んだ話ができたとしても、こちらの動機に対して影響力がなければ、使えない人脈ということになる。

その人が使えないというのではなく、その人脈が使えないという意味だ。

動機に対しての影響力を持つ立場の人ということも重要になる。

会ったことがある、名刺交換をしたことがあるという関係性は、人脈でもなんでもない。

それは、実は繋がっていない思い込み人脈だ。

 

2. まずは見た目

人脈が何かということを頭の片隅に置いた上で、人脈づくりに挑む際、一番大事なのは「見た目」だ。

「見た目」というと、ハンサムとか、美人ということだと思われがちだが、ここでいう見た目はそうはない。

ここでいう見た目とは、服装、ヘアスタイル、靴などのハードの部分と、姿勢、顔の表情、目の力、ニュートラルな態度などの仕草のことをさす。

これらをきちんと、センス良く、仮に、センスがよくなくても、清潔感があるものを身につけるだけで、最初の印象はぐっとよくなる。

僕は、最初の印象というのは、非常に大事だと思っている。

印象は後から、「ファーストインプレッションと違っていい人だ」と変わることもあるが、実際は、ほとんどのところ、初対面の印象が悪いと、次も会いたい。どんな人だろう?と興味を持ってもらえることがない。

僕は、かっこつけているわけではないが、ファッションに関することは昔から好きだ。

だから、ブランドなどの高いものを身につけるわけではないが、結構こだわる。

服がキマらない時は、外に行きたくないくらいだ。

姿勢、顔の表情、目の力などの仕草に関しては、「姿勢がいいね」「話す時ずっと目をみてるね」ということをよく指摘され、人はこんなことを意識しているのだと、意外なポイントに気づいたからだ。

また、ニュートラルな態度も大切だ。

よく人脈を作ってやろう!オーラが出ている人がいるが、とにかくギラギラオーラが凄い。

もちろん、本人は気がついていない。

そんな人は、当然ちょっと引いてしまうというのが人間心理というものだ。

この見た目の効果で、まずは、

・興味を持ってもらう

・話をしたいと思う

相手にこの気持ちになってもらうのが人脈づくりでは一番大切なのだ。

そうすればきっと、互いの信頼関係を築く、次のステップに進むことができる。