家の近くの行きつけの飲み屋で飲んでると、同じく常連の20代から30代前半の子達がたまに近寄ってくる。
僕のライフスタイルを知っている彼、彼女らはよく興味津津になぜ今のようなライフスタイルになったのかを聞いてくる。
そして、決まって言うのだ。
「やりたい仕事が見つかってうらやましい。」
「どうやってやりたい仕事を見つけたの?」
と。
僕は、その度に言葉を濁す。
だって、思ったことをそのまま口にしても、きっと彼らには理解できないから。
やりたい仕事が元々あったわけじゃない。
やりたい仕事を見つけたわけじゃない。
やりがいがある仕事を自分でコツコツと作り上げたんだ!
そう言ってもきっと彼らには?マークだろう。
若いうちから明確な夢を持っている子ももちろんたくさんいる。
警察官になりたい、パイロットになりたい。医者になりたい。
さらにもっと具体的にドイツのとある会社に勤めたい。という子もいる。
しかし、そんな明確な夢を持っていない子はいつまでたっても「青い鳥症候群」だ。
自分が生き生きと、金銭面にも納得して毎日楽しく過ごすことができる仕事がどこかに落っこちていると思い込んでいる。
そして言うのだ。
「勤めてもやりたい仕事じゃなかったらどうすればいい?」
「なんかいい仕事ってないですか?」
はっきり言ってバカか?と言いたい。
そのセリフは「俺様が満足する仕事を用意しておけよ世の中」と言っているのと同じだ。
そんなものはないんだ。
世の中に自分がやりたいと思える仕事というのは存在しないんだ。
生きがいを感じる仕事というのは、自分で作り上げるものなのだから。
人から尊敬されるような重要な仕事をすることができれば、自分に誇りを持つことができる。
でも重要な仕事ほど責任を負わなければならない。
責任の重圧に負けずにプロとして「仕事」をして成果をださなければならない。
ここで重要なのは努力は問題でないことだ。
努力の如何は関係ない。
頑張ったから、頑張ったのには全く関係ない。
それは孤独感とも近いものがある。
成果と結果を出すことが全てなのだ。
そして、それを一つ一つクリアしていくごとに自分の仕事への誇りと自信が積み重なっていく。
それが仕事なのだ。
これが、予め用意されているわけがない。
根本的なここにいつまでも気づかないまま年を重ねるかと思うとぞっとする。
若いうちからここに気がつくべきだと思うし、大人が教えるべきだと思う。
それがこれから求められる「教育」というものなのかもしれない。
やりたいこと(仕事)が見つからない人へ。
やりたい仕事は存在しない。
だから、自ら作り上げるしかないんだ。