【記事要約】
自社の製品は最高だ。品質の良さには自信がある。そう豪語する会社に限ってネットショップの売上が伸びない。しかし、ちょっと品質が下がる競合他社はバンバン売れている。こんな状況はよくあることだ。商品が良くても売れない。その理由は何なのか?
1. 売れる理由は商品の良さではない
例えば同じアクセス数があるA社とB社。
アクセスが同じにも関わらず、口コミやサイトの雰囲気から、A社の商品よりB社の商品が明らかに売れている様子。
A社の社長は思う。
「うちの商品の方が価格も同じで品質もいいのに、なぜ消費者は選ばない?消費者は馬鹿なのか?!」
実際、A社の商品は、材料や製造過程にもこだわり、品質がB社のものよりかなりよい。
それにも関わらず値段は同等だ。
このストーリーを聞いて、「うちもそうだ」と頷く人は多いことだろう。
実際に、WEBアドバイザリーの仕事で関わった多くの会社で見受けられる状況だ。
多くの企業を見てきて僕は確信している。
『良い商品は売れない。リア充した自分が想像できる、または実際にリア充できる商品が売れるのだ』
2. 売れる理由は○○のうまさにある
「リア充」とは、ネット上で多く使われる「リアルが充実している」の略語だ。
売れる商品は、この「リア充」のうまさ、つまりは「リア充」している自分を想像させるのがうまい。
例えば、A社とB社が販売していたものが、木製のお皿だったとしよう。
A社は以下のようなアプローチをしていた。
・ヒノキの素材で作っている
・ヒノキは国産
・熟練の職人が手作りでひとつひとつ作っている
・工場一貫生産だから安く提供できる
そして、写真は商品の表と裏を撮ったもの2枚のみ。
皆さんは、どう感じるだろうか?
これだけだと、多くの消費者は悲しいことに「だから何なの?」で終わってしまう。
反対にB社は以下のようなアプローチをしていた。
・木のお皿はとにかく、おしゃれ!ママ会の時に出したりすると、あなたのセンス評価はきっとアップ!
・木のお皿は落としても割れないから子供の毎日のプレートとしても大活躍!
・木のお皿は軽いから持ち運びも楽々♪キャンプなど屋外でのBBQのときにもGOOD。
そして、写真は商品の形状が分かるもの数枚に加え、実際に料理を盛り付けた食欲をそそるおしゃれな写真が数枚。さらにギフト包装した場合の写真。サイズ感が分かる写真などが掲載されていた。
消費者はその商品を買うことによって、自分の価値を高めたいのだ。
逆に言えば、消費者は自分の価値を高めてくれるものにお金を払う。
3. あなたのネットショップで商品が売れるためには?
消費者に「お!」と思わせるためには、
「これ使ったら絶対に楽しいね!」
「これがあったら、間違いなく注目を集めるね」
「これなら自分の欲望をきっと満たしてくれる」
と消費者が確信しやすいコンテンツを掲載することだ。
人は他人から羨ましがられたいのだ。
それを実現するためには「この商品が一番おいしい」と思わせなければならない。
材料がいい、熟練の職人が作った、お買い得な理由などは、
「それ良いね!」と言われた時に、
「分かる?実はー、」と購入者が自慢する時のための材料なのだ。
だから、これらのコンテンツも掲載することは必要なのだが、グッと消費者の心を射止めるのは、販売者本位の内容ではなく、消費者本位の内容でなくてはならない。
商品が大したことないのに売れているネットショップはこれがウマイのだ。