会計クラウドサービス、マネーフォワードを活用する[飲食店向け効率化のためのIT活用術#6]

【記事要約】

会計処理は会計士または税理士まかせ。そんな状況の飲食店では、オーナーが数字の『実感』を持っていないことが非常に多い。いつまでたっても自転車走行のラットレースから抜け出すためには、厳しく数字を見て、状況を理解することが必要だ。

1.  マネーフォワードを使うメリット

財務処理は1ヶ月にまとめて月末に。

売上の帳簿、請求書、預金通帳のコピー、かろうじて付けている現金出納帳、領収証、クレジットカードの明細書をまとめて税理士に渡せば任務完了。

多くの飲食店ではこんな財務処理がほとんどではないだろうか。

僕が関わってきた飲食店では、上記のような処理をしていればまだまともな方で、時には税理士、会計士も間に入れず、自分で適当に(税金が限りなく少なくなる)申告をして、そのうち税務署の監査が入り、後からとてつもない額の追徴課税を要求されたという話も、とても良く聞く。

税制面だけでなく、数字を見ないことにより、実際は儲かっているのか、ヤバイ状況なのか、そのヤバイ状況もちょっと頑張れば乗り切れる程度なのか、それとももう後がない状況なのかすら、分からなくなっている場合もある。

そうならないために重要なのは『数字を見ること』だと僕は考える。

しかも毎日だ。

月一回の確認では、足りないのだ。

日々、数字を追って、何かしら異変が起きていないか、無駄な支出がないか、はたまた、調子が良いから次の作戦を立てられるのかを逐一チェックする必要がある。

従来、これらの情報を蓄積するのは、メジャーどころでは、弥生会計が有名だ。

その他は、会計事務所から紹介されるソフトだが、それらはインストール型のソフトで、Windowsでしか使えないなど使い勝手が悪いものだった。

さらに問題だったのはその価格で、結構効果な上に、バージョンアップの度に追い銭が必要になったりする。

しかし、これらの課題を一気にクリアにしてくれたのがマネーフォワード(クラウド会計)だ。

マネーフォワードには、家計簿、個人事業向け、法人向けなどでサービスが別れているが、個人事業の飲食店は月々わずか1980円で利用できるMFクラウド会計がオススメだ。

会計士や税理士に月々の処理をお願いしていると月額1万5千円以上はかかると思う。

僕が勧めるのは、これらの契約を年1回の申告時または半年に1回、四半期に1回のみにし、月々1万5千円の契約は辞め、マネーフォワードで管理することだ。

そうすれば、月々の財務処理にかかるコストがかなり削減できる。

また、手書きの現金出納帳やExcelに入力するくらいなら、ダイレクトにマネーフォワードへ入力してしまえばよい。

マネーフォワードを使うことによる主なメリットは下記3つだ。

1.毎日明確な数字が認識できる。

2.コストが非常に安く済む

3.入力の手間が1度で済み時短になる。しかも、クラウドサービスなので、PCやスマホ、インターネットといった環境があれば、どこからでも内容が確認できる。

2. マネーフォワードの魅了的な機能

マネーフォワードの魅力的な機能は何と言っても外部サービスや銀行口座との連携だ。

事業に使っている銀行のインターネットバンキングと連動させれば、通帳の内容を入力する必要がないのだ。

これはかなりの業務効率化になる。

すべて自動連携するため、銀行口座から取得した情報の内容を確認して、勘定科目を指定し、登録ボタンを押せば、すぐにマネーフォワードに登録されるのだ。

しかも、一度登録した勘定科目は同じ名前なら、次回以降も引き継がれる。

また、クレジットカードとの連動も可能だ。

個人事業の場合、代表の個人カードで時折、事業のための買い物をすることもあるだろう。

クレジットカードも連携させれば、これは経費、これは除外など簡単に登録できる。

また、飲食店にとってさらに魅力なのが、ユビレジ、楽天ペイとも連携できることだ。

iPadを利用したPOSレジ『ユビレジ』を活用する[飲食店向け効率化のためのIT活用術#4]

クレジットカード、電子マネーでの会計を可能にする楽天ペイを活用する[飲食店向け効率化のためのIT活用術#5]

ユビレジに登録された会計情報をマネーフォワードサイドに自動取得することができる。

これも内容を確認して登録ボタンを押すだけで、マネーフォワードに登録が可能だ。

もちろん一括登録もできるので、注文数が多い場合でも手間をかけることなく登録ができる。

楽天ペイの情報も自動取得できるのも心強い。

ここまでで、銀行の通帳コピー、売上帳簿、クレジットカードの明細が無くても、オンタイムで、これらの財務処理ができていることをお分かりいただけるだろうか。

飲食店だと当然現金の仕入も多い。

マネーフォワードには、簡単入力機能が用意されているので、レシートの内容を手軽に登録するだけで、出納帳を作ること無く、オンタイムで会計システムへの登録が可能だ。

あとは、領収証を保管する作業だけで済む。

「数字」という話題になると、難しそうという先入観で避け続けている飲食店経営者も多いが、これは絶対に向き合うべき相手だ。

「数字」のハードルを極限まで下げるためにもマネーフォワードの利用は強い味方になる。