【記事要約】
「お客さん来ないかなー?」とクビを長くして待っていても、お客は来ない。いずれ、10年後に来るかもしれないが、基本的には来ない。お客に来てもらうためには、こちらからの仕掛けが大事なのだ。
1. 5年売れないネットショップ
広告費をかける余裕もない。
だけど、地元じゃソコソコ名が知れている会社なのだから、ネットショップでも商品は売れるだろう。
そう考え、苦節5年。
ネットショップでの売上は月数十万円程度。
ネットショップの制作費やコンサルにかけたお金は数百万円。
こんなことも珍しく無い話だ。
広告費をかけずに集客をしてきたから、最初はほとんど売上がなかった。
だけれども、コツコツブログやSNSを更新して、そこからの流入客でようやく3年目から月数万円が売れるようになってきた。
だが、その後の売上は月数十万円程度で伸びがない。
個人事業であれば、このくらいの売上があれば御の字だが、企業ともなれば、月の目標売上は、当初数百万円を見込んでいることがほとんどだ。
コツコツ集客である程度のコンスタントなアクセスは稼げたものの、今ひとつパンチがある集客アップの施策がない。
これは多くのネットショップ・オーナーが抱える悩みだ。
2. コストをかけない、労力をかけない集客のためにできること
伸び悩む集客と売上に疲弊した頃、ラッキーなことにたまたま全国放送で、有名な芸能人がウチの商品を愛用していると紹介してくれた。
放送と同時に爆発的な注文が舞い込み、問い合わせが殺到。
ネットショップの売上が一気に10倍以上に。
しかし、多くの場合、この放送があった時には爆発的に売り上げが伸びるが、その売上が1年後も続いているかというと、まったくそうではない。
ほとんどの場合は、放送から1ヶ月もすれば、注文は下火になる。
しかし、このメディアの力が、思わぬ呼び水となる。
たまたま、有名人や人気番組が取り上げてくれたり、人気雑誌に掲載された場合、これは本当にラッキーだ。
自社サイトにも「雑誌○○で紹介されました。」「○○さんに愛用品として紹介されました」と掲載できれば、顧客の強い購買理由に繋がるからだ。
そう。大事なのはたまたま紹介されたという棚ぼたではなく、「雑誌○○で紹介されました。」「○○さんに愛用品として紹介されました」という実績の数だ。
3. メディアはネタを探している
だが、この「たまたま紹介される」という偶然はそうめったに起こらない。
そこで大事になってくるのが、『プレスリリース』だ。
しかし、雑誌、ましてやテレビにCMを載せるとなると莫大な費用がかかってしまう。
そこで、メディア側から気づいて、たまたま載せてもらうのではなく、こちらからそっとメディアにネタを吹き込むのも手だ。
メディアは何と言っても「ネタ」を探しているのだ。
これは実際にあった例だ。
老夫婦がきりもりする和菓子屋を見させてもらったことがあった。
たしかに品物はいいのだが、経営者の老夫婦はパソコンの操作さえわからない。
ネットショップを立ち上げても、そこからどのようにアプローチをするかを指南して、それを実行してもらうためには、気が遠くなるような道程だった。
とりあえず手っ取り早く、メディアに取り上げてもらおう。
そう考えた僕は、老夫婦にタダで和菓子の折を提供してもらい、首都圏の有名雑誌者に手紙を添えて送り届けた。
手紙の内容はちょっと忘れてしまったが、確か、地域の小さな和菓子屋で、もっと多くの人に食べてもらいたいので、よかったら記事にして欲しいといった内容だった。
すると、全くスルーされるかと思ったが、意外にも半数ほどの会社から折り返し、菓子のお礼をいただいた。
すかさず、東京出張のついでに雑誌社に赴き、実際に売り込みをかけた。
すると、なんと3雑誌にとりあげてもらったのだ。
ひとつは和のジャンルではハイソな方に一番人気とも言える雑誌だった。
僕の個人的な印象では、雑誌業界はもっと冷たくあしらわれるかと思ったが、意外にも、温かく、話を聞いてくれる人がいるとその時知った。
雑誌掲載と共に一時的に売上が伸びたが、案の定その後は再びアクセスも落ちたが、何と言っても「雑誌○○に掲載されました」というブランド性を獲得できたのだ。
しかも、菓子折と郵送代というコストでだ。
プレスリリースは何も、自社サイトに情報を掲載することだけではない。
攻めのプレスリリースで大きく前進できる可能性は多々あるのだ。