最近「失感情症(アレキシサイミア)」という言葉を知った。
今から思えば、V字回復の坂道をよじ登っていた時期に、僕はこの症状だったのではないかと思う。
失感情症(アレキシサイミア)とは、自分の感情を意識できず、感情を言葉や態度によって表現しにくい状態のことだ。
原因は過剰なストレスだ。
つらい感情を意識しにくいため、周りに助けを求めたりせず、頑張り続けてしまうことがあるらしい。
だが、そうだったとしたら、その頑張り続けることでV字の坂道を登れたのかもしれないが。
だが、この症状の場合、体にも変調がでる。
実際、僕はV字の坂道を登り切る最終段階で入院し手術をしなければならないほど、体に異変が起きていた。
幸い悪性ではなかったが。
自覚症状がなくても、体は正直だ。
体にかかった重い負荷は、日に日に蓄積されて、それらは身体のどこかに現れ出すらしい。
そして退院後、ようやく全ての借金を返し終わり、ようやくまた新しい0地点に戻ることができたとほぼ同時に、13年一緒に連れ添った愛犬が亡くなった。
まるで、辛い時期の僕を支え終わったかのようにだ。
僕が退院してから急激に体調が悪化し、入院させたが、衰弱があまりに激しく、病院での最期を不憫に思い、自宅で点滴を打ち、つきっきりで看病し、看取った。
僕にとっては、この上ない悲しみだった。
それを期に以前からひどかった肌荒れがさらに悪化し、ひどいことになった。
それから半年後、ビジネスが0地点に戻ったことにより、ようやく日々の生活を楽しみながら過ごせるようになり、ある日ふと、ようやく自分がストレスを感じていたことを自覚した。
それまでの0地点からの半年間は、焦燥感が抜けず「何かやらなければ」という焦りがつきまとっていた。
自分がストレスを感じていて、とても疲れていたことが自覚できたら、一気に気持ちが穏やかになった。
ストレスはすぐには抜けないらしい。
ストレスへの耐性も必要だが、ストレスを感じている自分に気づくことも、もっと大事だ。
だが、もしかしたらV字の坂道をよじ登っている最中のような状況の時には、ストレスに鈍感であることも必要なのかもしれない。
とにかく、うまくコントロールすることが、その時々の状況を自分の味方につけることができるのだと思う。