サンフランシスコ(SFO)への今回のフライトはロサンゼルス(LAX)でトランジットする。
よって、サンフランシスコが旅の目的地第3ポイントでロサンゼルスは中継地点の第2ポイントだ。
予定より早く着陸したが、ターミナルに接続されるまでが長かった。
アナウンスによると、天気の影響とのことだったが、地上に降りてからも天気なんて関係あるのだろうか?
その時は、さほど気になるようなことでもなかったが、後から考えるとこれが事の始まりだった。
事前にESTAに登録していたため、自動の入国管理システムに向かう。(こちらも現在は機械処理化されている)
画面から使用する言語を選択し、パスポートの読み取り、質問事項に回答、指紋の採取などを進め、写真を撮る。
しかし、何故か、処理できないとのエラーになってしまった。
そのため、人がいる入国審査のエリアへ向かう。
機械化が進んだお陰で、いつも長蛇の入国審査場は、わりと空いていた。
待っている間、南米から来た様子のおじさんが、強そうなイケメン警官にどこかに連れて行かれてしまった。
手には紙袋1つ。確かに…、働く気、満々のご様子。そりゃ、捕まるよね。と思いながらも、どこかせつない気持ちになってしまう。
いつも通り、無愛想で横柄な態度の審査官から無事入国OKをもらい、バゲージエリアに急ぐ。
しかし、だいぶ多くの人が待っているにも関わらず荷物がまだ出てきていない。
規模が大きいロサンゼルス国際空港ではしようがないのかもしれない。
ようやく出てきたスーツケースを引っ張り、駆け足で国内線のりばへと急ぐ。
お次は国内線の預け荷物に向かうと、係のおじさんがどこ行きの便か尋ねるので、サンフランシスコだと答えると、時間がないから急げ!と行って、渡したスーツケースをぽいっと後ろのレーンに投げ込んだ。
そのちょっとぞんざいな扱いに若干不安を感じながらも、汗を書きながらゲートへ向かう。
検査エリアはさすが厳重だ。
靴を脱ぐのにはいつも抵抗を感じるが仕方がない。
出発ゲートヘはバスで向かう必要があった。
預け荷物のおじさんが急げと行っていた訳が分かった。
まだギリギリ間に合うだろうという時間に52Iゲートに向かう。
しかし…、いざ到着すると、人がいない。係員すらいない。
搭乗口が変わったのか?
近くの別のゲート職員にサンフランシスコ行きのAA6051に乗りたいと言うと、ちょっと待ってと言って、端末を叩く、そして「Oh!」という軽い驚きの声と共に、キャンセル(欠航)だと告げられた?
理由を尋ねると、嵐だという。
なるほど。成田からロスに到着した飛行機でパイロットが天気でターミナルへの接続が遅れていると言った理由が分かった。
しかも、係員は今日のサンフランシスコ行きはすべて欠航だから、明日の夕方の便になるという。
さすがに、どうしたものかと困惑した。
とりあえず、カスタマーセンターに行って欲しいというので、再度バスにのり、ターミナル4へ戻る。
案の定、カスタマーセンターはいっぱいだ。
サンフランシスコ行きだけでなく、他の行き先でもいくつか欠航が出ているようだ。
並んでいると、皆、不安と不満があるのか、けっこう話しかけてくる。
「どこに行くんだ?」
「自分は、今日中にダラスに行かなければならないんだ。」
などなど。
ようやく順番が来て、17時の便に振替をしてもらった。
しかし、ここでひとつ間違いをしていた。
さきほどの係員が明日の便だと行っていたので、てっきり明日の便だと思いこんでいたのだ。
担当者は当日の17時の便に振り替えていたのに。
明日まで空港で24時間以上過ごすか、近くにホテルをとるか悩み、さすがにホテルに行こうと思いたち、一度外に出たいと言いに、再度カスタマーセンターへ。
再び長い列に並び、同じく予定が狂って、やきもきしている人たちと二言三言交わす。
窓口で強い口調で不満をぶちまけている人、この忙しい時に限って何やら問題発生で拘束され気味の中国パスポートの男性。
まさに、てんやわんやの状況だ。
再び、同じ担当者に当たり、明日の便まで時間があるから、一度外に出たいと言うと、OKとのことだった。
ちなみにこの空港は24時間営業か?と聞くと、そうだと言う。
おそらく、不審におもったのだろう。
係員がチケットを見せてというので、見せると「これ、今日の便だよ!」と突っ込まれた。
てっきり明日まで長い時間ぼんやり待たなければならないと思いこんでた折、嬉しい間違いではあったが、危ないところだった。
しかし、こんなこともあるのだと思った。
ようやく、そして、せっかく来たアメリカで、こんなハプニングが起こるのだと。
17時のその便も欠航になってしまったのだ。
再び、カスタマーセンターへ。
3回目になると、また来たね。という雰囲気。
ついてないねと慰められつつ、再度振替の調整をしてもらう。
どの便も一杯なのか、担当者はPCを叩き続ける。
担当者がPCを叩き続けている間、あれだけ混んでいたカスタマーサポートに一瞬人がいなくなった。
そこで、日本から持ってきた飴玉を3人の女性担当者にあげた。
飴玉は万国共通のコミュニケーションツール。
一気に打ち解ける。
ありがたいことに、担当者の女性は一生懸命対応を考えてくれた。
どうも、搭乗口の担当者達は、今日の便がすべて欠航になる可能性があるとの情報を得ていたようだが、カスタマーサポートのスタッフにはその情報が入っていなかったようだ。
逐一、どこかの担当者に連絡して、運行見込を確認をしている。
そして、可能性があるとすれば23時の便が飛ぶかもしれないが、判断できないと言う。
明日の午前の便の方がまだ確実ということで、空いていた翌日11時の便に振り替えてもらった。
そのため、すぐに泊まるホテルを手配した。
長時間のフライト後、国内線のてんやわんやのために、結局6時間もターミナルにいた。
早く今日の宿へ行ってくつろぎたい。そう思いながら、預けた荷物を受け取りにバゲージカウンターへ。
だが、困難は続くものだ。
今度は、預けたスーツケースが行方不明。
ようやく連絡が来て、レーン1からキャンセル便に荷物を預けていた人の分を一気に出すという。
しばらくすると、レーンが回り、確かに荷物が次々と出てきた。
たくさん出てきた。
だが、僕のターコイズブルーのスーツケースだけ出てこなかった。
もう、ここまで来ると、なんだか「そんな気がしたよ」としか思えなかった。
再び、バゲージカウンターへ。
彼女は「今度こそ、出てくるからもうちょっと待って。20分待っても出てこなかったら、もう一度来てくれる?」という。
再び待っている間に、サンフランシスコの宿泊先であるシェラトン・フィッシャーマンズワーフに今日は行けないけど、明日行く旨を電話。
しかし、再びまさかの展開…。
Comfirmation NO.を告げても、Last Nameを告げても、すでに支払いは済ませてあると言っても、あなたの予約は入っていないから、日本のエージェンシーに連絡してくれと言う。
「マジかー。」
もうそんな言葉しか出てこなかった。
飛行機は飛ばない。
荷物は迷子。
そして、ホテルの予約が取れていない。
珍道中過ぎる。
まあ、何を言っても、とにかく一つひとつ片付けるしかない。
案の定20分待っても荷物は出てこなかった。
再びバゲージカウンターへ行くと、先ほどの彼女は「出てこなかった?」と表情で答える。
何も言わずに、再びどこかへ電話を掛ける。
10分ほど話し込んで、ようやく答えが出た。
「あなたの荷物はすでにサンフランシスコに行っている。」だって。
どうやって??
人間の乗る便は全て欠航なのに??
よくわからないが、明日サンフランシスコで荷物に出会えるよ。ごめんね。と申し訳なさそうに言うので、分かった。ありがとう。と伝え、今晩の宿泊先Custom Hotelへ向かうことにした。
空港近くのホテルは大抵シャトルバスを運行している。
Custom Hotelに連絡し、今空港にいるからシャトルに乗りたいと伝えると、ターミナル番号を聞かれ、数分で行くから待ってて。とのことだった。
シャトルまで、出会えないこと無いよな…。と不安を抱えつつも待っていると、シャトルは私を見放さないでくれた。
ドアを開けてHello!と陽気に迎えてくれたドライバーの笑顔の嬉しかったこと。
ここまで散々だったから、とても心温まった。
ホテルの部屋に入ると直ぐにホテル予約をしたDeNAスカイゲートの緊急連絡先に電話。
担当者に、カクカクシカジカで説明すると、ホテルに聞いてみるから、そのまま待ってという。
電話代を気にしながら、待つこと10分間。
予約はちゃんと取れていて、今日は行けないけど予約はそのままにしてほしいと伝えてくれたそうだ。
バンザイ!
こちらの嬉しさを伝えたく、感謝の言葉をいくつも述べるものの、こんなことには慣れっこなのか、先方のテンションは水平のまま。
だが、相手はどうあれ、こっちは嬉しいのだ。とにかくテンションMAXで喜びを伝えた。
取り敢えず、できる対策は全てした。
後は明日また挑むのみだ。
空腹だったが、ドタバタで対応できなかった返信に返事を返し、夕食を調達しにホテル横のスーパーへ。
さすが、アメリカ。
何もかもがダイナミック!
ビールは基本、瓶がほとんど。
瓶は1本売りがあるが、栓抜きがない。
日本のように350ml缶タイプのび~るが僅かにあっても、6個売りから。
飲めるか!と思いつつ、唯一1個売りされていた1000mlほどありそうなハイネケンの缶ビールを買った。
すぐに寝るつもりだったので、サルサとハム、クロワッサンを少量買って部屋に戻る。
先にシャワーを浴びて、ようやく夕飯をいただくと、機内食を食べてから何も食べていないことに気がついた。
サルサはパクチーが効いていて美味しかった。ハムは厚さがバラバラの雑な切り方だったが、サルサとよく合った。
そして、ビールを半分以上残したところで、睡魔が。
飛行機が飛ぶか、迷子の荷物とちゃんと出会えるか、そして本当にホテルの予約が問題ないか。
不安要素がいっぱいあるけれども、楽しまなきゃ旅じゃない!
なんとかなるだろうと、腹を括りながら、意識はまどろみの中にとろけていった。
以下、意外にいい感じだったホテルの部屋。