登記に必要な書類をつくる|(第7話)自分で株式会社を作ってみた

いよいよ登記手続きの準備も最終段階。

法人登記の際に必要な法務局に提出する書類を作成する。

正直これらの書類は参考にさせていただいた下記のサイトのとおりに作成すれば全く問題ない。

<参考にしたサイト>

トラスティルグループさん「自分でできる」会社設立

inQupさん「会社登記の具体的な手順と必ず抑えておくべき6つの注意事項」

 

ただ、素人ながらに気がついた注意すべき点がある。

 

注意すべき点その1

個人の印鑑証明に乗っている住所を『そのまま』記載する。

これはどういう事かというと、登記に必要な書類の中に「取締役の就任承諾書」があるが、ここに取締役の住所を記載する必要がある。その住所が印鑑証明に記載されている通りでない場合、訂正が入るというものだ。

例えば、3丁目15番地と印鑑証明に記載があるにも関わらず、3−15と登記書類に記載されていた場合、修正させられる。

実際、僕の住所の中に部屋番号の記載があり、中黒「・」と記載すべきところを「ー」となっていたがために確認の電話があった。(この場合、確認だけで法務局に赴く必要はなかった。)

ちなみに僕は間違えて、個人の住所ではなく、法人住所を「取締役の就任承諾書」に記載していたがために、一度法務局に赴く羽目になった。

書くべき内容とハンコを間違えないようにする。

当たり前だけど、これも大事だと思った。

個人の住所を書くべきか、法人住所を書くべきか、個人の印鑑か、法人印か。

何度も確認するのがベターだ。

 

注意すべき点2

定款CDの中には、公証人役場で貰ったデータ全てを入れる。

法務局に登記書類を提出する際に、認証を受けた定款も一緒に提出する必要がある。

提出方法は2通りで、公証人役場で受け取れる製本された謄本(2000円)を出すか、CDにデータを入れて渡すかのいずれかだ。

僕はCDで提出したのだが、よく分からなかったので、CDには、僕が作成したPDFデータのみ入れていた。

しかし、内容を確認した法務局担当者から電話があり、公証人の認証データが付加されていないのでダメとのこと。

そこで、手元にあった、製本された謄本を代わりに提出することになった。

「株式会社設立登記申請書」に

定款(別添CD内)

と記載していたため、

定款 1通

とその場で提出資料を修正する必要があった。

 

法務局で一番最初に書類を提出した際に、何も問題なければ、●日後に手続きが完了するが、問題があれば、担当者から電話連絡すると言われるはずだ。

だから、提出したその日の内に法務局から電話があった時は、「あちゃー。」という気分だったが、直ぐに再度赴き、訂正内容を聞くと、さほど重たい修正もなく、定款の謄本を持参して、その場で修正するだけでOKだったため、安心した。

 

修正があった書類の上の方には「●文字削除、●文字加筆」とか記載する必要があり、至極面倒な作業もある。

お役所は本当に細かい。

 

 

僕は3月下旬に手続きをした。

ネット上の情報では、登記完了まで1週間ほどかかると言われていたが、僕の場合、手続き完了には、3日ほど先の日付を伝えられた。

その後、4月に別の登記手続きをする必要があり、この時は1週間後の日付を言われたので、3月末はもしかすると空いている穴場の時期なのかもしれない。


[自分で株式会社を作ってみた#7]登記に必要な書類をつくる[自分で株式会社を作ってみた#7]
登記に必要な書類をつくる

法人化と覚悟|(第2話)自分で株式会社を作ってみた

僕がやった法人登記の具体的手順をお話する前に、ちょっと前置きをしておこうと思う。

実は、法人登記するのは今回が初めてではない。
僕は25歳の時に自分で事業を始めて、29歳の時に法人化した。
2017年2月現在、この3月末日で10年となり、次の年度は11年目となる。
個人事業で4年、法人として10年、
起業人として合計14年の月日が経った。

起業してから会社が残っている確率が
1年後⇒約60%、
3年後⇒約40%
5年後⇒約15%
10年後⇒約6%
しかも70%の企業が赤字決算と言われる中、14年存続して、黒字を出していることは頑張っている方だと思う。
しかし、これだけ長くやっていれば、紆余曲折色々なことがある。
区切りとなるこの10年をもって今の会社を手放し、新しく会社を立ち上げることにした。
自分の力で。

これまでの起業してからの出来事に関しては起業人生。振り返ってみたらとんでも人生。
をどうぞ。

さっき、『29歳の時に法人化した。』と書いたけれども、厳密には『法人化してもらった。』と言った方が正しい。
なぜなら、当時兄貴的存在だった人が、僕に目をかけてくれて、法人化のための資本金を300万円出資してくれたからだ。
俗に言う、エンジェルっていうやつだ。
だけれども、この10年の間に、僕もいろいろ経験した。
そして、勉強させてもらった。

うまく言えないが、経営に携わる人間が複数いる時は、それぞれの人間の深い想いがマッチしていないと、うまくいかない事が分かった。
会社においては、理念と言うものかもしれない。
うまくいかないというのは、儲かる、儲からないの話だけではない。
深いところがマッチしていないと、例え事業がうまくいっていても、当の人間が徐々に腐ってしまうのだ。
毎日毎日一生懸命仕事をしていても、何か心の奥底にもやっとしたものが溜まってしまう。
靴の中に小石が入った状態で、歩き続けているようなものだ。
その、もやもやを貯め続けてまで、現状維持をする人生なんて、ちゃんちゃらおかしい。
でも、出資してもらった恩義がある。
だから、しっかり恩義を果たすことは果たして、この10年目を機に、自分一人で歩みたいということを出資してくれたその人に正直に話した。
面と向かって話をして筋を通したのだ。
もちろん、その人は、悪い人ではない。
自身も色々な修羅場をくぐって来た人だ。
僕の申し出を、すんなり受け入れてくれた。
出資してくれた上に、こちらの勝手な申し出を受け入れてくれた懐の深さには本当に感謝してもしきれないほどだ。

こうして、僕は晴れて、また新しいスタートに取り組むこととなった。
そのまず1歩目が会社を自分で作る。ということだ。
別に最初は個人事業でスタートしてもいいのだが、僕はこれまでの経験で法人化していない場合の信用度や取引の限界を知っている。
だからこそ、すぐに法人化することにした。

一般的には会社を作る時は、行政書士にお金を払って、手続きをすることがほとんどだ。
しかし、僕は起業してから1円の重みというものを、嫌と言うほど味わってきた。
節約できるお金は1円でも節約したい。
(逆に1円を大切にできない経営者は儲けることができないと思っている。)
そこで、ネットで情報を集めると、法人登記は自分でできる感触があった。
よく、自分でやる手間と時間をお金で買って、行政書士に任せようなんて文章もネット上には溢れているが、幸いにして、しばらく仕事をオフにしたので、時間に余裕もある。
ということで今回、法人登記を自分でやってみることにした。
今後、自分で会社をつくろうかなと思っている人の役にたつかもしれないしね。

ちなみに余談だけれども、前述の話の中で出てきた「恩義」や「筋を通す」ということは、起業して自分で事業をする人間にとっては非常に大切な事だと思う。
この「恩義」や「筋を通す」ということを大切にして、お世話になった方やお客様に感謝し、ご縁を大切にしてきたからこそ、これまで、事業を続けてこられたのだと思う。
起業したけれども、うまくいかない人は、これらのことを大切にしていない人が本当に多かった。
もし今、これを読んでいるあなたが起業を目指す、または起業したばかりなら、是非このことは参考にしてほしいと思う。


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