オフィスを閉じ、1人で出直すことを決めた時、僕には負債が2500万円以上あった。
出資者から個人的に借りた分が約1000万円。
銀行からの借り入れが約1200万円。
個人のカードローンで借りたものが約200万円。
その他、リースなどで合計2,500万円以上の負債があったのだ。
ほんの数年前までは、濡れ手に泡で稼いでいたのが、いつのまにかほんの短い期間にこんなにも金銭状況が変わっていた。
人間の感覚が狂うというのは、本当に怖いと思う。
これを今から、1人で返さなければならない。
正直気が遠くなった。
僕は1年近くまともに給料をとっていなかったから、会社運営のために、社員の給料のためにこれらの負債をつくってきたようなものだった。
恨めしい気持ちはあったが、社長は僕だ。
何をどう言っても僕が作った結果だった。
原因はすべて僕だった。
とはいえ、1サラリーマンだったら、30年ほどのローンで返済していくような金額だ。
とても不安だったが、やるしかない。
僕は、ひとりになってからも相も変わらず働きまくった。
途方もない負債については、家族にも誰にも相談しなかった。
言ったところで、不安がらせるだけだ。
僕は腹をくくった。
3年で負債を0にすることにした。
先に結末を話すと、結果的には4年ちょっとかかってこれらを0にできた。
そして、文字通り無借金経営にもちこんだのだ。
自分で言うのも何だが、V字回復をやってのけたのだ。
そして今は、無理せず、自分のペースで楽しく毎日を過ごす生活に持ち込めた。
ただ、その道程は簡単ではなかった。
V字の下り坂を下り初めて、底辺を味わい、再びV時の坂道を登っている間は、本当に辛かった。
だけども、その道程で色んなことを学んだ。
それらは、お金を払っても学べないことだと思う。
億単位など僕以上の負債を僕よりも短い期間で返済し巻き返している経営者もたくさんいる。
本当にスゴイと思う。
僕がV字の下り坂と上り坂で学んだことは、もしかしたら誰かの役にたつかもしれない。
それらをまた少しずつ紹介できたらと思う。
そして、僕がV字の上り坂を登りきれたのは、側で支えてくれた家族や友達のおかげだ。
いつも心の中で思わず手を合わせて感謝してしまうほどだ。
ありがとう。