僕がV字の下り坂と上り坂で学んだことは、アウトプットしか利益を産まない。
ということだった。
アウトプットは何かと言うと、自分の中に蓄えた知識や情報を文字通り外に向けて発散することだ。
具体的には、当たり前のことだが、自身の本来の仕事をするということと、問題の解決に向けて行動を起こし続けるということだ。
僕の場合は、WEBに関する業務をし、問題を解決するために具体的な行動をとるということだ。
だが、僕は状況の暗転を感じた時に、経営やマネジメント、自己啓発に関する本を読むことや、セミナー、勉強会に参加することに多くの時間を割いた。
これらは、インプットの時間だ。
経営に関して不安になると、多くの人は、これらのことに時間を使い出す。
僕もその一人だった。
本をたくさん読んで、勉強会やセミナーに参加して、経営に役立つ知識が蓄えられ、志高い仲間と繋がることによって、気持ちが高揚し、きっと自分は大丈夫だという錯覚に陥る。
その錯覚は、麻薬のように常習性を伴い、それらに触れていないと不安になって仕方がないのだ。
それで、継続して本を読み漁り、セミナーに行き続ける。
しかし、これらインプットの時間は実質的な利益を産まない。
知識をつけて賢くなったつもりでも、学んだ多くの最先端の知識は、すぐには自分の事業に役立つことがないことがほとんどだ。
高額なセミナーに参加すればするほど、「こんなに高いセミナーに参加したのだから、無駄にならないわけがない。きっと学んだことを活かせばうまくいく」と人は自分に都合のよいように事を解釈する。
結局、それらのセミナーは冷静に、客観的に見たら、ネット上に転がっている情報であったり、誰かがすでに言っていることを言葉を変えて言っていたりと、つまらない情報であることがほとんどだ。
僕もいくらそれらのものにお金を費やしたことか。
もちろん、すべてのインプットが必要ないわけではない。
本を読んだり、セミナーや勉強会に参加して、経営のための知識を自分の中に蓄えることは、内容が本当によいものであれば重要だ。
だが、V字の下り坂を下っている最中にインプットの時間がアウトプットの時間を上回ってしまうと、本来やるべきことが行われず、当然利益が生まれず、利益をあげるためにやっているインプットが、利益を削っているという本末転倒な現象を起こしてしまうのだ。
結局、これだけ勉強しているのだからという気持ちの横で、お金はずるずると流れて行き、新しいお金は入って来ず、負の連鎖になってしまうのだ。
さらに、これらの学んだことというのは、じっくり続けて自分に合ったやりかたを作り出して、さらにそれを継続して、初めて効果がある。
付け焼き刃のインプットは全く役にたたない。
V字の下り坂を下っているときは、毎日1冊以上の本を読み、しょっちゅう勉強会やセミナーに参加していたが、V字の上り坂を登り始めた僕は、このことを確信していたわけではなかったが、無意識に本を読む事をやめ、セミナーや勉強会に参加しなくなった。
結果的にアウトプットの時間が増え、そのおかげで利益をあげることができたと思う。
今では、これからの事業に本当に必要な情報を吟味し、インプットをし、アウトプットの最大限にすることを心がけている。