EC CUBE3プラグインをつくる[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその4]

【記事要約】

EC CUBE3系でのAmazonPay導入に関して、いよいよ本番実装。EC CUBEのプラグインを作成する。

 

EC CUBEはASPサービスではなく、自身のWEBサーバーにEC CUBEのプログラムを設置し、運用するタイプのネットショップだ。

大抵の場合、ホスティングサービスにEC CUBE3の自動インストール機能がある。

それによって、インストールした後、FTPなどによってサーバにアクセスし、全ファイルをダウンロードすれば、すべてのプログラムが閲覧できる。

よって今回、AmazonPayを利用できるようにするために、それらEC CUBEのコードをゴリゴリいじればよいかと考えた人も多いはずだ。

しかし、EC CUBE3になってから特に、基本的なEC CUBE3のプログラムを改変することは推奨されていない。

他のプラグインや、バージョンアップによって、変更部分が先祖返りしたり、思わぬ障害の原因になる可能性があるからだ。

そのため、EC CUBEに独自の機能を持たせるためには、プラグインによるドロップインが正規の干渉方法となっている。

そこで当初、僕もEC CUBE3のソースコードをゴリゴリ改変するつもりだったが、安全性を保つためにAmazonPayのプラグインを制作することにした。

僕が行ったプラグインの開発方法を下記に紹介する。

1.  EC CUBE3プラグイン開発の全体像をつかむ

EC CUBEのプラグインを、どのように作成したら良いかEC CUBEのプラグイン開発ドキュメントが用意されている。

http://doc.ec-cube.net/plugin_tutorial-generate

AmazonPayのPHP SDKのインストールの際に、MacからSSHで接続する方法をすでに学んでいたので、

AmazonPayの簡易テストをする[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその3]

EC CUBEのプラグイン開発ドキュメントの内容に基いてコマンドをひとつひとつ打ち込むと、app>Pluginフォルダの中に、コマンドで指定した名前のプラグインファイル一式が自動生成された。

EC CUBEのプラグイン開発ドキュメントの中にある、新規ページの追加、利用しないページの削除、フォームの追加、変更、プラグイン用テーブルの追加、チュートリアルさらには、ベストプラクティスの内容を熟読して、プラグインに関する全般的な内容を頭に入れる。

一見遠回りのようだが、この事前に全体把握をすることは、後々の時間節約になる。

闇雲に、ひとつひとつ追求していると今自分がどこの何に向き合っているのか迷子になってしまうからだ。

こちらのプラグイン開発ドキュメントには、EC CUBE3のプラグイン仕様書も用意されている。

こちらの内容も僕はとても参照した。

http://downloads.ec-cube.net/manual/v3/plugin.pdf

 

2. AmazonPayプラグインの全体的な動き

今回、EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのプラグインの具体的な内容に関しては、全内容の公表を差し控えさせていただく。

僕が紹介するヒントを確認いただいた上で、独自にコーディングを行い、さらに確実なテストを行った上で、自己責任で実装して欲しい。

なお、僕の場合、購入後の管理画面にて実質請求する処理(配送後にする処理)はAmazonPayの管理画面で行うことにしたため、EC CUBEの管理画面には実質請求の処理を組み込んでいない。

さて、プラグイン仕様書にあるように、EC CUBEのプラグインは「フックポイント」と呼ばれる各ポイントに切り込んで、独自の処理を通す。

AmazonPayプラグインの大まかな動きは下記のようになる。

1.カート画面

(1)[Amazonアカントでお支払い]ボタンを表示する

(2)会員ログイン時は[Amazonアカントでお支払い]ボタンをグレーアウト

(3)Amazonアカウントでログイン時は、その旨をメッセージ表示し、Amazonアカウントログアウトボタンを表示

(4)Amazonアカウントでログインしたら、購入確認画面にダイレクト遷移する

2.購入確認画面

(1)Amazonアカウントでログイン時、アドレスウィジットと支払いクレジットカード選択ウィジットを表示する。

(2)Amazonアカウントでログイン時は、EC CUBEの配送先変更、お客様情報変更ボタンを非表示とする

(3)Amazonアカウントでログイン時は、EC CUBEの支払い方法をAmazonPayで固定とする。

3.購入完了画面

(1)Amazonウィジットで選択したお客様情報をEC CUBEに登録する

(2)AmazonPayへ購入情報を送信する

(3)AmazonPayからエラーが返ってきた場合のエラーハンドリング

このような内容でプラグインの構築をすすめた。


[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその4]EC CUBE3プラグインをつくる[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその4]
EC CUBE3プラグインをつくる

AmazonPayの簡易テストをする[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその3]

【記事要約】

EC CUBE3系でのAmazonPay導入に関して、EC CUBEに組み込む前にまず簡単なファイルを作成し、AmazonPayの大まかな動きを把握。そうすることによってEC CUBEへの組み込みイメージをつかむ。

 

AmazonPayをEC CUBEに組み込む前に、まずは簡単なファイルを作成し、ローカルのファイルとAmazonPayの動きを把握すると、その後の作業がしやすい。

目次にあるように、AmazonPayの全体的な流れをつかむために3つのファイルを作った。

お支払ボタンを表示させる機能とアドレス・支払いウィジェットを表示させるには、特にプログラミングは必要なかった。

AmazonPayへ売上電文を送信したり、AMAZON_ORDER_REFERENCE_IDという一意なキーから住所や連作先を取得する場合にプログラミングが必要となる。

なお、以下の作業内容は、AmazonPayでの設定がすべて完了し、テスト環境での実施を想定している。

初期設定とテスト環境に関しては、AmazonPayインテグレーションガイドのStep1登録Step2 SDKの設定を参照

1.  [Amazonアカウントでお支払い]ボタンを表示させる(step1.html)

AmazonPayでお支払ボタンを表示させる手順は、インテグレーションガイドのStep3 ボタンウィジェットの追加を参照した。

基本的にこのページに記載されているコードでAmazonお支払ボタンが表示される。

エラーハンドリングなどは省略されているが、取り急ぎテスト環境での動作検証なので、本番環境のコードにエラーハンドリングをしっかり記載する。

分かりにくかった点としては、SELLER-IDと記載されている箇所には、AmazonPayでログインし、インテグレーション>MWS Access Keyで見ることができる出品者IDを記載する必要があった。

REDIRECT-URLには、step2.htmlを記載する。

その他のパラメータの詳細は、ボタンウィジェットのページで確認できる。

2. アドレスウィジェットと支払カード選択ウィジェットを表示させる(step2.html)

アドレスウィジェットと支払いカードウィジェットを表示させるstep2.htmlは、インテグレーションガイドのStep 4:アドレス帳とお支払い方法ウィジェットの追加を参照した。

ここで、アドレスウィジェットと支払いカードウィジットが表示されると、orderReferenceIdが取得できるようになる。

PythonとRubyのサンプルコードが表示されているが、ページ下部の「アドレス帳ウィジェット」と「お支払い方法ウィジェット」のコードを記載すれば、それぞれのウィジットが表示されるはずだ。

AmazonPayに売上情報を送信するために、orderReferenceIdと支払い総合計が必要になる。

そのため、次のstep3.phpへのフォームボタンを用意し、hiddenで値を渡すようにコーディングを追加した。

oRIDには、orderReferenceId。

支払い総額は、OrderTotalとし、valueに1500と記載し、1500円を仮の支払い総額とした。

さらに、orderReferenceIdを取得し、hiddenのoRIdに自動的に反映させるJavascriptを追加

インテグレーションガイドのStep 5:注文詳細のセットと確認も参照するとよい。

なお、インテグレーションガイドのStep5に記載されているサンプルコードはPHP以外のものなので、取り急ぎ見なくてOK。

なお、インテグレーションで紹介されているコードにはエラーハンドリングが省略されているので、これも本番環境でしっかり記述する必要がある。

3. AmazonPayに売上情報を送信する(step3.php)

step2.htmlから渡ってきた情報をAmazonPayに渡し、決済を完結させる必要がある。

ここで登場するのが、SDKだ。

AmazonPayのPHP SDKはこちら>>

これをどこで使うべきなのかが分からず当初苦労した。

なぜなら、Amazonアカウントでお支払ボタン(step1)やウィジットの表示(step2)にもSDKを絡ませる必要があると思い込んでいたからだ。

また、インストール方法に「Installing using Composer」と記載されているのも意味が分からなかった。

とことん調べてみると、元々composerがインストールされているサーバに直接アクセスするSSHを利用して、「composer require amzn/amazon-pay-sdk-php」と電文送信すれば、Amazon Pay SDK (PHP)がインストールされるということだった。

幸いにして、EC CUBEは、このComposerが利用されている。

vendorという名前のフォルダを見ていると分かるが、中にComposer関連のファイルが格納されている。

よって、SSHでサーバにアクセスし、「composer require amzn/amazon-pay-sdk-php」と打ち込めば、vendorフォルダの中に、amznというフォルダができて、AmazonPay関連のSDKファイルが追加される。

しかし結果的に後からわかったことは、この面倒くさい手続きをしなくとも、AmazonPayのPHP SDKのページからファイルをダウンロードして、パスを通せば、Amazon Pay SDK (PHP)の機能は利用することができた。

Composerというものも、EC CUBE3にすでにComposerが存在することも知らなかったため、Composerのインストールから、MacからSSHでサーバにアクセスする方法も調べ、実施してみたが、結局はファイルをダウンロードして、サーバにアップロードし、step3.phpのファイルからamzn内のClient.phpへパス通すという作業で問題なかった。

そして、AmazonPayと決済完結の処理を実施するために使うのが、AmazonPayのPHP SDKのページに記載されいる「Convenience Methods」の内容だ。

Amazon Pay SDK (PHP)ですでに用意されているchargeという関数を使えば、Standard Payments(ワンタイムペイメント:ワ) / Recurring Payments(定期支払:定)で必要な下記の3ステップの処理を一括で行ってくれるのである。

①SetOrderReferenceDetails(ワ) / SetBillingAgreementDetails(定)
②ConfirmOrderReference(ワ) / ConfirmBillingAgreement(定)
③Authorize(ワ) / AuthorizeOnBillingAgreement(定)

charge関数を実施するために必要なパラメータの詳細も記載されている。

print_r($response);と記載したので、step2.htmlからstep3.phpに画面が変わった時に、AmazonPayからのレスポンス内容が表示される。

レスポンスコードが200で帰ってくれば、OKということになる。

エラーレスポンスコードに関しては、エラーコードのページを参照。

step1.htmlからstep3.phpの一連の流れを実際に自分の手で掴んでみると、今後の作り込みイメージも湧きやすくなったと思う。


[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその3]AmazonPayの簡易テストをする[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその3]
AmazonPayの簡易テストをする

AmazonPayを申し込む[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその2]

【記事要約】

EC CUBE3系でのAmazonPay導入に関して、まずAmazonPayへの申し込みが必要。実際に申し込みをしてみた経緯を紹介。

 

AmazonPayを利用するためにはまず、AmazonPayへの申し込みが必須。

実際に申し込み作業をしてみた経過についてご紹介。

1. AmazonPay申し込みの必須条件

AmazonPayを利用する必須条件には下記の2点がある。

① 法人であること

② 法人カードもしくは社長の個人カードがあること

①が多くの場合、ハードルになり、ガッカリされる方も多いだろう。

②に関しては、僕は法人カードを持っていないので、個人(代表取締役)のカードで手続きができた。

①と②の条件を満たす場合は、ちゃんとした会社であれば、問題なく審査は通ると思う。

まずは、AmazonPayのページで条件などをよく読んだ上で

下記ページからAmazonPayの申し込みをする。

https://pay.amazon.com/jp/contactsales

2. 必要書類の提出と手続き

申し込みをすると、自動返信メール(メール①)が送られてくる。

その後、僕の場合は翌日、審査に関する詳しいメール(メール②)が送られてきた。

具体的な手順や審査過程、開発ソリューション会社の提案などが書かれている。

審査の流れは下記のような内容だった。

(1)審査書類提出(御社)

(2) セラーアカウント作成方法の案内(Amazon)

(3)セラーアカウント登録(御社)→完了後、Amazonへ連絡

(4)審査開始(Amazon/1~2週間を要します)

(5)審査完了の連絡(Amazon)

(1)の審査書類には、登記簿(履歴事項全部証明書)、代表者の身分を証明する書類、銀行口座(法人)を証明する書類が必要だった。

(2)のセラーアカウントは、既にAmazon出品サービスのセラーアカウントを持っていたとしてもまた別にアカウントを作る必要があるとのことだった。

実際僕も出品アカウントを持っていたので、別のメールアドレスで、AmazonPay用のセラーアカウントを新しく作った。

メール②が送られてきたその日のうちに審査書類を提出。

すると審査用書類受理の自動返信メール(メール③)が送られてきて、さらにその日の内にセラーアカウント作成方法についての案内メール(メール④)が送られてきた。

ちょっとバタバタしていたので、メール④が来た後、しばらく放おっておいたところ、ふたたび同じ内容のメールが3日後に送られてきた。

そのため、直ぐにセラーアカウント作成をしたところ、セラーアカウントの設定で漏れている箇所の指摘がメールで送られてきた。(メール⑤)

修正したところ、審査に1週間かかるという内容のメール(メール⑥)が送られてきて、実質その日から6日後に審査完了の連絡メール(メール⑦)が届いた。

必要書類の提出やセラーアカウントの作成などをテンポよくやれば、一週間ほどで手続きが完了するだろう。

なお、各メールに丁寧な説明やマニュアルがリンクされているので、迷うこと無く作業ができると思う。

3. AmazonPay管理画面設定

審査完了メール(メール⑦)に開発に必要なキーの確認方法や初期の設定について詳細が書かれているマニュアルが記載されている。

マニュアルやメールの説明文に沿って、まずはAmazonPayの管理画面の設定や確認が必要になる。

基本的に本番環境、テスト環境、ログイン設定の3パターンへの切り替えを行って、都度必要な確認や設定を行う。

4. 開発者向け情報を熟読

AmazonPayの利用準備が整ったら、次はEC CUBEとの連携のための開発に取り掛からなければならない。

そこで、この段階から一番見るようになるのが、開発者向け情報のページだ。

https://pay.amazon.com/jp/developer/documentation

僕はワンタイムペイメントを利用するつもりで、またEC CUBE3はPHPを利用しているので、一番良く見たのは、「ワンタイムペイメント」のページと「イントロダクション」のページ、そして、PHPのSDKページだった。

とにかく、ここを熟読することが大事だ。

なお、PHPのSDKページは英語しかない。しかもサンプルへのリンクが切れている…。

詳しくはまた追って書くが、英語のスキルも多少は必要になってくるといえるだろう。

では、次回また続きをご紹介したいと思う。


[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその2]AmazonPayを申し込む[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその2]
AmazonPayを申し込む

AmazonPayで自社ネットショップでのクレジットカード決済を可能に[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその1]

【記事要約】

EC CUBE3系でのAmazonPay導入に関して、まず効率的に費用を抑えて自社ネットショップにクレジットカードを導入することにフォーカスします。

 

圧倒的にランニングコストがかからないネットショップ運営の筆頭と言えばEC CUBEだ。

無料で利用できるネットショッププログラムのため、うまく運用すればランニングコストはサーバとドメイン代程度。

そんなEC CUBEなどのネットショップで重要になってくるのが決済手段だ。

EC CUBEの最新のバージョンはEC CUBE3系と言われ、その前の2系とはプログラム構成などが全く異なっている。

僕は2系のEC CUBEに出会った後、しばらくEC CUBEと触れ合う機会がなかったため、久しぶりにEC CUBEの仕事をした際に、3系になったEC CUBEのあまりの変わりように驚いた。

今回、このEC CUBE3系でAmazonユーザがAmazonアカウントで買い物することを可能にするAmazonPayの導入について紹介したいと思う。

1. ネットショップにおけるクレジットカード決済の重要性とランニングコストの兼ね合いについて

ネットショップで欠かせない決済手段といえば、クレジットカード決済だ。

このご時世、クレジットカード決済があるかないかは、ネットショップの売上に大きく影響する。

クレジットカード決済は、ネットショップでは、必ず利用できるようにするべきと言っても過言ではない。

しかし、EC CUBEだけでなく、さまざまなネットショップで利用できるクレジットカード決済サービスは初期費用や月額費用が発生することが多いものが多く、さらには売れた金額に応じて手数料が取られる。

ネットショップの運営自体のランニングコストを抑えたとしても、このクレジットカード決済サービスのランニングコストがかかってしまうため、クレジットカード決済の導入を躊躇してしまうネットショップ運営者も多い。

僕のクライアントでも、このような理由からクレジットカード決済の導入を躊躇して悪循環を呼び、ネットショップの売上がなかなか伸びないクライアントがいる。

そんな時の救世主の様な存在がAmazonPayだ。

https://pay.amazon.com/jp

2. ネットショップ運営者と利用者双方にとって魅力的なAmazonPay

AmazonPayは、自社ネットショップにAmazonPayの機能をもたせれば、Amazonのアカウントを持っているユーザがログインして、Amazonアカウントに登録されたクレジットカードで決済ができるというサービスだ。

初期費用:無料、月額費用:無料、トランザクション料:不要で、販売手数料4%のみがコストとしてかかるという費用構成もとても良心的だ。

そのため、自社のネットショップにクレジットカード決済を導入したいが、ランニングコストは極力押させたいという店舗運営者にはとても魅力的なサービスだ。

ネットショップ利用者にとっては、Amazonアカウントで決済をするという安心感と氏名や連絡先、配送先を入力しなくていいという手軽さが魅力になる。

Amazonアカウントを持っているユーザは、このご時世ごまんといるだろう。

そんなAmazonユーザがあなたのネットショップに訪れ、Amazonアカウントで決済できることは、「楽」「安心」という魅力以外の何ものでも無いはずだ。

3. 初期導入が難点のAmazonPay

しかし、カラミーショップなどの、ネットショップクラウドサービスでは、多少制約があり、毎月の利用料が発生するものの、AmazonPayを簡単に導入できる仕組みが用意されているようだが、EC CUBEには用意がされていない。

調べたところ、月額5,000円でAmazonPayを利用できるEC CUBEのプラグインが販売されていたが、それでは、クレジットカード決済のランニングコストを抑える意味が消失してしまう。

よって、一番コストがかからないEC CUBEへのAmazonPay導入方法は自分でその環境を構築することだった。

最初に言っておくと、とても難しかった。

だが、ある程度プログラミングの知識がある人間なら不可能では無いと思う。

僕は、プログラミングの専門畑ではないが、基本的なPHPプログラムを読んだり、組むことができるレベルだ。

そのレベルの僕ができたというのが一つの目安になるかと思う。

なお、Amazonからは、「本番リリース後も、購入者に被害が出る恐れがあると弊社が判断した場合などにおいてAmazon Payカスタマー契約に基づき貴社アカウントの一時停止もしくは解除をさせて頂く場合がございます。」とメールに記載されていたので、厳重なテスト及び、着実なシステム構築が必要だ。

サイトの利用者に迷惑をかけるわけには行かないので、僕もテストケースを作り、念入りなテストを何百回も厳重に行った。

プログラミングができない、もしくはそれを代わりに安価にお願いできる人がいない場合は、AmazonPayの利用を諦めるか、先ほど記載した有料のプラグインを利用するしか無くなってくるだろう。

なお、参考までに、ヤマトフィナンシャルの決済サービスもコストがかからない。

初期費、月額利用料が無料で、売れた分に対して手数料がかかるというAmazonPayと同じ条件だ。

ヤマトフィナンシャルは手続きをすれば、EC CUBE3系にも対応したプラグインが無料で利用できる。

僕は、コンバージョンアップのために、ヤマトフィナンシャルの決済サービスとAmazonPayを両方導入した。

Amazonアカウントユーザのコンバージョンをアップしたいという目的があれば、AmazonPayを導入するしかないが、クレジットカード決済だけを導入することが目的なら、ヤマトフィナンシャルの決済サービスを導入するほうがはるかに簡単だ。

また、AmazonPay導入支援を行っているシステム会社や、AmazonPayを利用できるネットショップサービスは下記ページで確認できる。

https://pay.amazon.com/jp/integration-options

では、次回また続きをご紹介したいと思う。


AmazonPayを利用するためのステップその1]AmazonPayで自社ネットショップでのクレジットカード決済を可能に[EC CUBE3でAmazonPayを利用するためのステップその1]
AmazonPayで自社ネットショップでのクレジットカード決済を可能に

安価で高機能のASPサービスを活用しまくる③[V字回復上り坂#9]

引き続きオススメのクラウドサービスをご紹介

<ノートツール>

『Evernote(エバーノート)』

僕は打ち合わせの内容だったり、思いついたアイデアをEvernoteに記録している。

iPhoneアプリを入れておけば、携帯からもすぐにEvernoteの内容が確認できるし、過去のノートの検索もでき、ユーザインタフェースもよく考えられているので、使い勝手がよい。

しかも、タダで使える。

誰かとノートの内容を共有することだって、簡単だ。

しかも、iPhoneやMacから入力する際には、音声入力を使用すれば、すばやく文字が入力され、打ち込む必要がない。

僕は、効率良い仕事を進めるためには、いつでもどこでも使えて、さらにそのインプットした情報をいつでもどこでも引き出せることが重要だと思う。

そのためには使い勝手の良い、Evernoteのようなツールが必要不可欠なのだ。

 

<オンライン英会話>

『DMM英会話』

http://eikaiwa.dmm.com/

パソコンが出始めた頃、パソコンを操作できないと仕事に支障が出たり、キャリアアップに影響が出ると想像した人はまだ少なかっただろう。

だが実際、現代では、企業勤めにはパソコンの操作が欠かせない。

パソコンだけでなく、ITツールのリテラシーが高くないと、キャリアアップに支障が出ると言っても過言ではないだろう。

同様に、これまでは、英語ができなくても日本のビジネスシーンでは通用できたが、グローバル化が進む現代では、近いうち「英語ができて当たり前」になり、僕たちが50歳、60歳になることには、それが当然になっていると僕は予想する。

そうすると、ビジネスにおいて経験値の高い熟練の年代は、若い世代にどんどん追い抜かされていくことだろう。

もちろん、そのころには、同時通訳などの技術も発達しているだろうが、それでも英語の重要性は増すと僕は考える。

僕は留学経験も、海外在住経験もないが、コミュニケーションをとれるくらいの英語力はあると自負している。

しかし、まだまだだ。

そこで、日常的に英語に触れ続けたいと考えた時に選んだのが、DMM英会話だった。

月々5000円代と安価な上、24時間いつでもレッスンを受けることができる。

今では、毎日の日課のひとつだ。

英語はある日いきなり話せるようにはならない。

一日一日、コツコツとした積み重ねが大切だ。

しかし、英会話教室に通うのは、僕にとって教室の行き帰りの時間さえもったいない。

しかも、急に予定が入ることが多いため、前もって予約の時間が固定されるのも不便だ。

だが、オンライン英会話教室なら、「あ、時間があいた」と思ったらすぐに利用できる。

しかも、行き帰りの時間も発生しない。

レッスンはスカイプを利用して行うが、ビデオ会議などに慣れている僕にとっては特に違和感なく馴染むことができた。

予約申し込みのシステムの使い勝手と、準備されている教材の豊富さも気に入っている。

オンライン英会話サービスとして、ぜひおすすめしたいサービスだ。

安価で高機能のASPサービスを活用しまくる②[V字回復上り坂#8]

引き続きオススメのクラウドサービスをご紹介

<ビジネスチャットツール>

『chatwork(チャットワーク)』

http://www.chatwork.com/ja/

僕にとっては、このツールがないと仕事にならないと言っても過言ではない。

チャットワークは、単に情報や意見のやりとりをするための道具ではなく、チャットワークを使うことによって、いくつもの会議が同時進行しているようなイメージだ。

通常の会議は、同じ場所に集まって、時間を拘束され、その間、その会議のことしかできない。

しかし、チャットワーク使って、プロジェクト毎にグループを作り、チャット上でやりとりをすれば、あえてミーティングの時間を取る必要もないし、スピーディーにプロジェクトが進行する。

文字データでのやりとりに限界がある場合は、ビデオチャット機能を使い、遠方のメンバーとも顔を見て話ができる。

何時間も時間をかけて、結局話がすすまない退屈な会議で時間を潰されたり、出張して遠方の会議に出席する必要もない。

時間とコストを要約して、最大限のパフォーマンスを生み出すことができる。

そんなツールなのだ。

タスク管理やファイル送信ももちろん可能だ。

chatworkの使い勝手の良さと、chatworkによる時短とコスト削減、パフォーマンスの向上を実感してしまうと、メールなんて使えたものじゃない。

 

<名刺管理>

『Eight(エイト)』

僕はあまり人に会わないことを自分のスタイルにしているので、名刺交換をする頻度は、一般的なビジネスマンに比べるとはるかに少ない。

だけれども、全く名刺交換しないわけではない。

かつて、さまざまな勉強会やセミナーに出ていた頃は、毎日のように何十枚という名刺交換をした。

たしかに、ビジネスの成功のひとつの要因は人脈だ。

だから、いただいたご縁は大切にするべく、出会って名刺交換した人の情報はいつでもどこでも引き出せるようにしておいた方がよい。

ただ、何千枚も名刺がたまって、それを日々ファイリングして、欲しい時に、ファイルの中から該当の人の名刺を探し出すという行動は僕にとっては苦痛でしかない。

そのため、名刺管理ソフトのEight(エイト)がおすすめだ。

Eightは名刺の写真を撮って送信するだけだ。

無料で使える上、オペレーターが手入力してくれるので、情報も性格。

もちろん検索もすぐにできる。

データをダウンロードしたければ、月額400円を払えばよい。

安価な上に、機能も充実。

自分でファイリングしたり、名刺上のデータをパチパチ打ち込む必要もない。

Eightに入力した後には、いただいた人にはちょっと申し訳ないが、破棄させてもらう。

もちろん個人情報なので、確実に原型が残らない方法で。

こうすれば、もらった名刺でオフィスのスペースを占領されることもなく、効率よくご縁情報の管理ができる。

 


安価で高機能のASPサービスを活用しまくる②[V字回復上り坂#8]安価で高機能のASPサービスを活用しまくる②
[V字回復上り坂#8]

安価で高機能のASPサービスを活用しまくる[V字回復上り坂#7]

効率よく、自分のリソースを最大限にフル活用するために、強い味方になってくれるのが、WEBを使ったクラウドサービスだ。

「僕のカバンには紙とペンが入っていない」の話にも関連してくるが、

僕のカバンには紙とペンが入っていない[V字回復上り坂#5]

僕のカバンには紙とペンが入っていない②[V字回復上り坂#6]

ここでは、「僕のカバンには紙とペンが入っていない②[V字回復上り坂#6]」で紹介した以外のクラウドサービスを紹介したいと思う。

いいクラウドサービスは、コスパも良く、時短にも繋がる。

しかし、中には使えない割には、高額なクラウドサービスもある。

悪質なものは、リースを組まされ、がんじがらめにされることもある。

しかし、僕の過去の経験からして、月数万円もするような高額なWEBサービスでいいものに出会ったことがない。

途中で「このサービスは使えない」と気づいても後の祭りだ。

リース契約なので、契約したお金を支払いきるしかないのだ。

どうあがいても解約することができない。

だからこそ覚えていただきたいのが、優秀なクラウドサービスは低コストで使い勝手がいいということだ。

良いサービスは、多くのユーザが使っていたり、出資者が多いため、ユーザーのコスト負担が少ない。

くれぐれも、最終的に何百万も払わされるようなサービスや、支払いがリースといったようなサービスは利用しないで欲しい。

(僕は、過去に何度もクライアントからこの手の相談を受けた。)

 

 

<会計ソフト>

『マネーフォワード・クラウド会計』

弥生会計やTKCの会計ソフト「FXシリーズ」など、様々なソフト(インストール型)がこれまで席巻していたが、僕は断然マネーフォワードの法人向けサービス「クラウド会計」をオススメする。

無料アカウントが最初に作ることができるので、お試しすることも可能だ。

マネーフォワードの入力は、僕の個人的な感想としては、とっても簡単だ。

ユーザーインターフェースもよくできていると思う。

もちろん、会計の知識が無くては、ログインしてもチンプンカンプンだと思うが、経営者たるべきもの、マネーフォワードくらいは使いこなせないと、今後の経営は難しいと言っても過言ではない。

会計知識がないがために、面倒くさい、よく分からないという理由で会計士に丸投げをする経営者もいるが、そういった経営者は数字の流れが見えず、窮地に追い込まれることが殆どだ。

かつての僕が実際にそうだったから、断言する。

クラウドサービスなので、会計士のPCにデータ移行という手間も必要ないし、アカウントでログインすれば、どのデバイスからでも同期した情報を確認することができる。

僕はライトプランなので、月額1,980円だ(安い!)。

マネーフォワードには毎日アクセスし、財務状況を確認する。

会計士と顧問契約すれば、安くても月額15,000円以上はするだろう。

だから、日々の入力は自分で行い、四半期または半月毎に会計士にチェックしてもらい、あとは決算だけまとめてもらう契約にしておけば、かなりコストが削減できる。

マネーフォワードがクラウド会計ソフトとしては、NO.1だが、その他に「Free」などのASPサービスもあるのでコストや画面デザインなど、好みにあったサービスを選んでもらえたらと思う。

次回引き続き、使えるクラウドサービスを紹介していきたいと思う。

僕のカバンには紙とペンが入っていない②[V字回復上り坂#6]

前回、仕事全般で使うツールのIT化によって、効率的に仕事ができる環境を整え、時間と自分のリソースを有効に使うことについて触れたが、今回はその続きについて。

僕のカバンには紙とペンが入っていない[V字回復上り坂#5]

僕は徹底的に仕事の道具や環境をIT化することによって、時間のムダをとにかくなくすことを追求した。時間のムダをなくせば、本来の売上を上げるための時間に集中することができる。

<スケジュール管理>

これは、もうすでに使っている人がだいぶ多いと思うが、Googleカレンダーを利用している。

以前は、僕も手帳を作り、オリジナルの手帳用紙とオリジナルのシステム手帳ケースを作るほどのこだわりようだった。

オリジナルの手帳用紙には、ToDoリストと一日のタイムスケジュール、繰り返しの予定などをカラーペンを使い、書き込んでいたが、これらはすべてGoogleカレンダーで実現できる。

手帳に書くということが楽しかったため、Googleカレンダーが出来てからもアナログの手帳を使い続けていたが、カバンが重たくなることと、手帳を持っていない時にすぐにスケジュールを確認することができないため、Googleカレンダーに移行した。

Googleカレンダーであれば、携帯やPC全てで予定が自動的に同期できる。

ビジネスマンには絶対的に必要なツールだと思う。

 

<書籍>

これも多くの人がすでに活用していると思うが、書籍を読む時はAmazonのKindleを使用する。

以前は、隙間時間に読むために、カバンの中に書籍を突っ込んでいた。

特に、V字の下り坂を下っている最中、書籍類をむさぼり読んでいた時は、2,3冊入っていたかもしれない。

だから、僕のカバンは筋トレしているのか?というくらい重かった。

紙の本でないと内容が身に沁みないという声も時折聞くが、僕はそれは「気のせい」だと思う。

書籍に書かれている文字や絵、写真は言ってみれば「信号」で、それが描かれている素地が紙であろうが電子機器であろうが、同じ信号であることには変わりがないからだ。

だから、僕も最初は紙の本派だったが、ある日、機会があってKindleを体験してからは、Kindleに乗り換えた。

もちろん、紙の本に蛍光ペンを引くようにハイライトをつけることもできるし、角を折るドッグイヤーも可能だ。

 

<お金>

東京では、クレジットカードや電子マネーが利用できる店舗やサービスが発達しているが、地方ではまだまだ現金が必要なシーンが多い。

だが、電子マネーが発達した今、財布はもはや必要ないのでは無いかとも思う。

3月にアメリカへ行った時、現金5万円を念のためドルに変えてもっていたが、使い切るのに苦労した。

そんな状況がもうすぐ日本を席巻するのでは無いかと思う。

僕は、カードで乗り切れることが分かっている時は、カバー付きの携帯ケースのポケットにクレジットカードと電子マネーを入れて財布を持たず、出かけることが多い。

 

カバンの中から、ノート、紙資料のファイル、分厚い手帳、書籍、財布が無くなったら、かなり身軽になる。

ただ、軽くなるだけでなく、それらの情報にいつでもどこからでもアクセルできることによって、仕事の効率化が進む。

こんなにいいことはないと僕は思う。

シンプルで、効率的なスタイル。

これが、僕にとってはV字の上り坂を登る後押しをしてくれたのだ。


僕のカバンには紙とペンが入っていない②[V字回復上り坂#6]僕のカバンには紙とペンが入っていない②
[V字回復上り坂#6]

僕のカバンには紙とペンが入っていない[V字回復上り坂#5]

V字の上り坂を登り始めてから、効率化を徹底的に追求してきたのは前述の通りだが、その中のひとつが紙をペンをもたないということだ。

つまりは、仕事に使うツールをIT化するということだ。

元々WEB関係の仕事をしていたためパソコンを使いこなせるという要素がこれを可能にしたというところがあるが、ブラインドタッチができる人であれば、ITツールを少し研究するだけで、ツールのIT化は可能だと思う。

<ノート>

クライアントとの打ち合わせのメモはすべてPCに即叩き込む。

もちろん録音して後から文字起こしということもしない。

それをやっていたら、打ち合わせの時間と文字起こしの時間が重複してかかってしまう。

会議の内容は、基本的にマインドマップソフトを使い、マインドマップに落とし込む。

それを議事録としてPDF形式で保存し、打ち合わせ相手にも送れば、議事録として残せる。

その他、Evernoteを使っていつでもどのキャリアからでもノートが閲覧できるようにしておくのも便利だ。

なお、打ち合わせで内容をPCに打ち込む際に注意したいことは、画面を見ながら打たないということだ。

もちろんブラインドタッチだ。

画面を見てしまうと、そうでなくても相手は「自分の話を聞いてない」「真剣に聞いていない」という印象を抱きがちだからだ。

 

<ファイル>

クライアントやプロジェクト毎の資料もすべてデジタル化にする。

資料や素材を紙や印刷写真として受け取った場合は、スキャンするか写真をとって、保存すれば、分厚い資料を持ち歩く必要もない。

そしてすぐに返却できる。

僕はクライアント毎にフォルダを作り、さらにその中に案件ごとのフォルダを作っている

 

例)日の丸株式会社の場合

HI0001_日の丸株式会社

 −01DOC(書類関係。契約書や各種サービスアカウント情報など)

 −02DATA(クライアント案件全般で使える素材データ。ロゴや企業外観など)

 −03PICS(クライアント案件全般で使える加工データ。基本的にPSD [フォトショップデータ])

 −04PRINTDATA(クライアント案件全般で使える印刷物データ。基本的にAI [イラストレーターデータ])

 −SITE (WEB構成ファイル(html、phpなど))

さらにこの中に開発案件毎のフォルダを入れる。

HI0001_1_日の丸株式会社ホームページ制作

HI0001_2_日の丸株式会社パンフレット制作

開発フォルダの内容は、下記のような構成だ。

01_doc(書類関係。見積書や請求書、スケジュールなど)

02_data(受け取った素材データ)

03_pics(基本的にPSD [フォトショップデータ])

04_printdata(印刷物データ。基本的にAI [イラストレーターデータ])

これは上層のフォルダ構成と似ているが、開発毎のファイルを入れる。

このように、フォルダ構成を決めておくととても便利だ。

自分の事業に合わせて是非調整してほしい。

SugarSyncやGoogleDrive、Dropboxなどさまざまだ。

ある程度の容量までは無料で使えるものもあるし、例えコストがかかるとしても月数百円と非常に安価だ。

 

このように、ツールのIT化をするだけで、かなりスッキリ身軽になり、スマートに仕事をすることができる。

最初慣れるまでは大変な人もいるが、慣れてしまえばこっちのもんだ。

業務スピードが2倍、3倍にも早くなり、時間が生まれることを実感してもらえると思う。


僕のカバンには紙とペンが入っていない[V字回復上り坂#5]
僕のカバンには紙とペンが入っていない
[V字回復上り坂#5]

月々のチャリンチャリンを増やす[V字回復上り坂#4]

僕の仕事はWEB制作がメインの仕事だ。

この仕事は、依頼を受けて、契約をして、調整をして、制作をして、納品をしてようやく報酬をいただくことができる。

例えば、4月1日に依頼を受けた場合、

4月2日 初顔合わせ

4月7日 見積もりと提案書提示

4月14日 契約書締結&打ち合わせ

4月15日から5月30日 打ち合わせと制作を重ねる

6月1日 リリース&請求書送付

6月末 入金

こんな感じだ。

これは割りとスムーズに計画通り進んだ場合で、往々にしてクライアント都合でスケジュールが伸びることがある。

(僕はこちら都合のスケジュール延長をしたことがない。)

この場合、100万円の案件だったら、4月に依頼を受けて入金をいただくまで3ヶ月近くかかることになる。

途中スケジュールが変わることもあるから、このような案件を並行して何本も抱えることになる。

そのため、スケジュールのズレなどが生じると、とても過酷な制作スケジュールになり、徹夜3日連続などが発生する。

また、タイミングのずれにより、どかんと報酬が入ってくる月もあれば、予定外に報酬が入ってこない月が発生することもある。

V字の下り坂を下っている最中から、とにかくこの調整が大変だった。

そのため、僕は25万円以上の案件は、契約と同時におよそ25%の前金をいただくことにした。

これによって、ある程度前倒しで報酬がもらえることと、制作したもののお金を払わないというバカタレが発生したときも、前金をもらっておくことにより僅かばかりの危機回避ができる。

結局のところ、僕のように依頼こなし型の業態はこのキャッシュ・フローの調整がとにかく重要になってくる。

税理士や弁護士など顧問契約だったら、契約数に応じてある程度売上見通しが付きやすいが、依頼こなし型は、受注してなんぼ、納品してなんぼのところがある。

そこで、僕は考えた。

仕事があるかどうか分からない。

支払いがあるかどうか分からない。

そんな不安定な経営スタイルに終止符を打とうと。

そうして、僕は月々決まった報酬をいただくことができるサービスを考えた。

それが、WEBのアドバイザリー契約だった。

多くの企業では、効率的なWEBツール(ホームページやSNS)の活用ができずに、もっと効果的に活用したい!と考えている会社が多い。

そこで、毎月1回伺い、アクセス分析や業績から数字による解説をし、より効果的なWEB活用方法の提案を行うのだ。

提案によりまた新しい依頼が生じることもある。

この作戦は大成功だった。

結果的にアドバイザリー契約だけで月々100万円以上になった。

しかも、僕ひとりで回せるボリュームだった。

これなら、仮に新しいWEB制作の依頼がなくても安定収入がある。

実際、アドバイザリー契約の企業からの依頼だけで手一杯で、新規の依頼を受けてしまうとオーバーワークになり、契約企業へのサービスの質が落ちることが懸念されたため、新規は断る状況になった。

僕がV字の上り坂を登りきることが出来たのは、この月々チャリンチャリンと入ってくる報酬モデルを作ったことが大きな要因だ。

僕の知識をスキルを求めてくれたクライアント企業に、僕はとても感謝した。

とことん、自分の持っているものをつぎ込んだ。

本来は、依頼こなし型の業種だったとしても、アイデアしだいで月々チャリンチャリン型のサービスを生み出すことができる。

この報酬モデルは、会社を強くするということを僕は実体験をもって断言したい。


月々のチャリンチャリンを増やす[V字回復上り坂#4]月々のチャリンチャリンを増やす
[V字回復上り坂#4]